知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

冷凍食品とレッツeco活

 朝日新聞の夕刊に「レッツeco活」という

のがあるのですが、読んでいらっしゃる

方も多いのでは?と思います。

 

 この欄の2015年の1月28日付で、

「食品ロス、冷凍で解消」というのが

載っていました。

 

 この記事によると、環境省の発表では

昨年度の全国の家庭やオフイスから

出たごみは4487万トンで、東京ドーム

121杯分にあたるとのことでした。

 

 この記事の基になった発表は以下

になるわけですが、ここ10年間

ずーっと減少傾向ですが、さらに、

食品ロスを減らしてごみを減らそう

という記事でした。

 

https://www.env.go.jp/press/files/jp/25893.pdf

 

 どんな風にして食品ロスを減らす

のかということですが、記事に書かれて

いる農林水産省による発表では、食品

廃棄物が年間約1700万トンで、うち

食品のロスが500万~800万トン

(日本のおコメの年間収穫量と

ほぼ同じ)、日本人一人当たり1日

おにぎり1~2個を捨てている計算

になるので、余ったおかずや賞味期限が

近づいた食材に冷凍庫をうまく使いま

しょうという記事になっています。

(下は、ちょっと古いですが、農林水産省

発表です)

 

http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/121005kaigi2_1.pdf

 

 保冷の際の大敵は乾燥だそうで、

ラップなどで中の空気を追い出しながら

ピタッと包むのがベストだそうで、

ブロッコリーやキャベツ、アスパラなどの

野菜はあらかじめ加熱して酵素

働きを止めておくと酸化が抑えられる

そうです。

 

 イワシやアジ、エビ、貝類などは、容器の

水に浸したまま冷凍すると、表面を水が

覆い、乾燥や酸化が防げ、鮮度を保てる

そうですね。

 

 奥様方にとっては、「そんなの知ってるワ」

というところかもしれませんが、我々素人に

とっては、「へーっ!!」というところで。

 

 むかーし昔のその昔、冷凍食品が出たて

のころは、冷凍食品などを使う奥様方は、

手抜きと言われていましたが、現代に

おいては、食品を計画的に消費するために、

冷凍食品をうまく活用するのも有効だ

そうで、電子レンジを使わずに、自然解凍で

おいしく食べられる冷凍食品が普及して

いるので、朝、冷凍庫から取り出した

お惣菜を、凍ったままお弁当に入れると、

お昼にはうまく解凍されて、食べごろに

なっている、と書かれています。

 

 記事によると、日本水産が取り上げられて

おり、1999年に自然解凍食品「自然解凍で

おいしい!」シリーズを売り出し、現在は

12種類が販売されているとのことでした。

 

 商標を調べると、なるほど、2001年に

ニッスイ/自然解凍」という登録がされて

いますね。

 

 記事によると、ベターホーム協会から

「ポジティブフリージング読本」というのも

売り出されているそうで。

 

http://www.betterhome.jp/book/series/tokuhon/freezing/

 

 ということで、いかに冷凍庫をうまく

使うかという使う立場の話でしたが、

この前、「がっちりマンデー」では、

冷凍庫を製造する立場の話が紹介

されていました。

 

 紹介されていたのは、ダイレイさんで、

会社概要は以下になります。

 

http://www.dairei.co.jp/

 

 正式名称は「株式会社ダイレイ」、

設立1981年、本社は文京区、資本金

2,800万円、営業品目は冷凍庫や、

冷凍ショーケースで、売りは―60℃

まで冷やせる冷凍庫だそうです。

(-80℃というのもあるようです)

 

 -60℃まで冷やす業務用冷凍庫では

70%のシェアを誇っているそうですが、

番組では、世界シェアなのか、国内

だけなのかは話していませんでした。

 

 テレビでやっていたのは、4年間

-20℃と-60℃で保存したマグロは、

全然色が違い、-20℃保存のほうは

変色していましたが、-60℃のほうは、

赤身成分が完全に凍結するため、

赤みがキープされているそうです。

 

 -60℃まで冷やせるのは、複数

冷媒の組み合わせにあるそうで、

調べると、ダイレイさんの特許3571296

には3種類の冷媒の組み合わせが

載っているのですが、混合比範囲が

非常に広くなっていますので、さらに

細かい混合比のノウハウがあるので

しょう。

 

 違う番組で、漁師さんのお宅にも大きな

冷凍庫が複数あるところなども紹介されて

いましたので、一般の家庭にも業務用

冷凍庫が浸透しているのでしょうか?

(漁師さんの家は、業務用と言って

いいかもしれませんが)

 

 それでは、それでは、それでも食品

ロスが出た場合はどうすればよいで

しょう?

 

 ということで、生ごみ処理装置などの

出番になるわけですが、以下のように

結構お高いですよね。

 

http://kakaku.com/kaden/disposer/

 

 ということで、生ごみ処理装置は個人の

方からもいろいろ特許や実用新案で出願

されており、以下の記事の松本さんは、

実用新案登録もありますよ。

 

http://blog.goo.ne.jp/hayama_001/e/b6314410b644b9fc556df72b8c6fca7e

 

f:id:oukajinsugawa:20150430181840j:plain

 また、ミミズさんに頑張ってもらうと

いうのも結構やられており、違う方で、

以下のような出願もあります。

 

f:id:oukajinsugawa:20150430181921j:plain

 それでは、本格的なメーカーさんの特許

出願はどうなのかというと、FIのB09B3/00D

というのが「生ごみ、厨介の処理」なので、

あまり工業用などが入らないように、発明の

名称を「生ごみ、生ゴミ」で絞り込むと公開数

の多い順に、パナさん+三洋さんがダントツ

1位、次にヤンマーさん、新明和工業さん、

デンソーさん、東芝さんなどが続くことに

なります。

 

 パナさん、いろんなところに顔を出してきて、

目立ちたがり屋さん?

 

・・・・きっと、違いますね。

 

 ちなみに標題のeco活という商標は、大文字、

小文字の違いはありますが、株式会社資源化

研究所さん(登録5264863)と、フクビ化学

工業株式会社さん(登録5412729)の2件が

登録されていますよ。