知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

シードさんのスマートコンタクト トリガーフィッシュシステム

 コンタクトレンズ使ってます?

 

 私は使っていませんが、使っている方も

多いのでは?

 

 コンタクトレンズってどんなメーカーが

作ってるんだ?ということで、プラピ

(J-PlatPat)さんに、発明の名称を、

コンタクトレンズ」、と打ち込むと、

3000件近くの出願公開が出てきま

した。

 

 出願上位は、株式会社メニコン

セイコーエプソン株式会社、ジョンソン・

アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・

インコーポレイテッド、ロート製薬

株式会社、株式会社シードが上位5社

でした。

 

 あなたのコンタクトはどこのメーカー

製ですか?

 

(ちなみに、正確な検索をする場合には、

IPCに、「G02C7/04」と打ち込みましょう)

 

 ということで、株式会社シードさんが、

眼球の膨張を検出するという国内初の

「スマートコンタクトレンズ」を今年の

秋にも売り出すんだそうですね。

 

 これは、どんなものかというと、以下の

ように、日常生活で使うコンタクトでは

なくて、センサーを内蔵した検査用コンタクト

なんだそうです。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO89384020W5A710C1000000/

 

 今までは病院での検査でしか眼球内

圧力を測定できなかったわけですが

(人間ドックなどで、目に空気を吹き付け

られて、「おおーっとー」などとなる「あれ」

ですね)、このコンタクトレンズは24時間

つけておいて、眼圧をずーっと測定でき、

データは無線で記録装置に送信されるん

だそうです。

 

 眼圧を下げる必要がある、緑内障

治療に役立てることができるそうで。

 

 以下の「はてなブックマーク」では、

認証を取り下げるとなっていますが?

 

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.nikkei.com/article/DGXLASDZ18H2Q_Y5A710C1TJC000/

 

 商品名は「トリガーフィッシュシステム」で、

眼科医に販売するとともに、病院が患者に

貸し出す方式とのことです。

 

 ということで、シードさんて、どういう

会社なんだ?というのを調べてみましょう。

 

 会社名は「株式会社シード」、本社は

東京、設立1957年、資本金18億4,128

万円、東証の二部上場、連結売上高が、

187.3億円、従業員数520名、事業内容は、

コンタクトレンズコンタクトレンズケア、

眼鏡、その他となっています。

 

http://www.seed.co.jp/

 

 では、このスマートコンタクトは、シード

さんが開発したのか?というと、そうでは

なく、スイスのベンチャー、センシメッドが

開発したものなんです。

 

 それでは、センシメッドさんを調べると、

正式名称は「Sensimed AG」、本社はスイス、

2003年に Swiss Federal Institute of

Technology (EPFL)からスピンオフ、

一貫して緑内障分野での測定に的を

絞り研究開発してきたんです。

 

http://www.sensimed.ch/de/

 

 製品カタログは以下のようになります。

 

http://www.sensimed.ch/de/produkte/produktfuehrer.html

 

 内容は、シリコン製レンズにセンサーと

データ送信用アンテナを埋め込み、

眼圧の高まりに伴う眼球の形の変化を

測定し、目を取り巻くように取り付けた

受信用のアンテナにデータを送信し、

携帯型の記録装置に記録するわけ

ですが、もう少し詳しく、特許出願

から調べてみましょう。

 

 日本への出願は、PCT出願による

以下の4件で、新しい2件はまだ審査が

されていないようです。

 

f:id:oukajinsugawa:20150728171422j:plain

 

 まず、最初のものを見てみると、以下の

図のように、シリコンコンタクトレンズ

すなわち、ソフトコンタクトレンズに歪

ゲージを取り付けて、眼圧を測定する

ものです。

 

f:id:oukajinsugawa:20150728171437j:plain

 

 次の特許は、アクティブひずみゲージの

改良で、レンズを装着するユーザーの

不快感などを改良しています。

 

f:id:oukajinsugawa:20150728171456j:plain

 

 次の特表は、モニタリングシステムの

改良などですね。

 

f:id:oukajinsugawa:20150728171517j:plain

 

 直近のものは、システム全体の

改良です。

 

f:id:oukajinsugawa:20150728171540j:plain

  

 ということで、緑内障は日本国内における

失明原因の第1位だそうで、さらに他の

URLでは推計緑内障患者数は400万人と

なっていますので、他人ごとではないですね。

 

http://www.nichigan.or.jp/public/disease/ryokunai_ryokunai.jsp

 

http://www.alcon.co.jp/about-alcon/wgw2015.aspx