知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許分析自動車自動運転編 25 操行制御の技術

 前回からの続きで、それではFタームの

テーマによる解決策にはどんなものがあるかを

調べると、以下のようになっていました。

 

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 これは、走行状態における操行制御の

Fタームテーマコード3D232はFIのB62D

の6/00から6/10までを展開したもの

なので、当然といえば当然なのですが、

そのほかのパワステ、駆動装置関連

制御等は、メカや電気の詳細分析と

なり、見てもあまりおもしろくありま

せんので(メカや電気の関係者は興味が

あるでしょうが)、走行状態に応じる

走行制御だけをさらに調べてみましょう。

 

まずは、自動走行(操行?)の制御目的

の多い順は、以下になっていました。

 

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 研究内容は、大体、自動運転時の操舵

安定性や感覚的なもの、センサー等が

故障した場合の安全性にわけられるの

ではないでしょうか。

 

 これらを制御するためには、制御入力

信号処理(微分積分処理等)、制御対象

ごとの制御出力パターンや制御方式(油圧

式とか、ポンプ処理、流量制御等)等いろいろ

あるのですが、細かくなるので、これらは

省いて、次は、どんな走行状態での研究が

多いかを見てみると以下のようになって

います。

 

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 定速走行時の制御の研究が多いのか

と思っていましたが、旋回時の制御研究

が多いんですね。

 

 まあ、考えてみると、定速走行時はそんなに

制御は必要ないのかもしれません。

 

 上のマップを見ると、停止時というのも

あるのですが、「車が停止しているときも

何かやるのか?」というところなのですが、

このFタームは、実は、エンジン停止時も

含むのですが、停車中などの制御のこと

なんです。

 

 ということで、ちょっと内容を覗いてみま

しょう。

 

・ 特開2012-116257 パワーステアリング装置

日立オートモティブシステムズ株式会社

【課題】アイドルストップ機能を有する

自動車に搭載されるパワーステアリング

装置において、電動モータが発電状態と

なったときに発生する起電力から電動

モータ駆動用のインバータを保護しつつ、

アイドルストップ中の消費電力を低減する。

【解決手段】アイドルストップ中であるか

否かを判定するアイドルストップ状態

判定手段と、上記電動モータが発電

状態にあるか否かを判定する発電

状態判定手段と、を設け、アイドル

ストップ状態判定手段がアイドル

ストップ中でないと判定している場合、

少なくとも上記電動モータが発電

状態にあると上記発電状態判定

手段が判定しているときに弱め

界磁制御を行う一方、上記アイドル

ストップ状態判定手段がエンジンの

自動停止中であると判定している

場合には弱め界磁制御を停止する。

 

・ 特開2011-202616 アイドルストップ制御装置

株式会社デンソー

【課題】所定速度以上の操舵速度でステア

リングを操舵すると、所定期間中、操舵力の

アシスト力を確保するアイドルストップ制御

装置を提供する。

【解決手段】アイドルストップ制御装置は、

ステアリングの操舵速度が所定速度以上

の場合、アイドルストップの禁止条件が

成立していると判断し、カウンタをクリア

する。アイドルストップ制御装置は、

アイドルストップ中であれば、エンジンの

再始動を指令し、フラグを1にしてアイドル

ストップを禁止する。操舵速度が所定速度

以上になってから、所定速度未満になると

、アイドルストップ制御装置は、加算中の

カウンタがCT1≦N1の場合、アイドル

ストップを禁止し、CT1>N1になると、

フラグを0にしてアイドルストップを許可

する。

 

 ということで、あとは、そのほかに、どの

ような車種の研究が多いのかを調べると、

圧倒的に一般車両(乗用車ですね)が多い

ですよ。