知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

特許分類検索上級編 第5回  眠り薬のIPC???

 前回の続きです。

 

 前回は以下を見てください。

 

oukajinsugawa.hatenadiary.jp

 

 ということで、特許文献中の情報は、

“発明情報”と“付加情報”の二種類に分ける

ことができます。

(筆頭IPCとはちょっと違います)

 

 と書いても、「いきなり、話始めんじゃ

ねーよ。わかんねーじゃねーか」という

ところですが。

 

 何の話かというと、IPCで分類している

目的は、検索を容易にするためですので、

特許庁さんでは、サーチの際の利便性を

考慮して、分類付与をおこなっています」と

いう話です。

 

(話は違いますが、各国特許庁(または、

各国特許庁に委託を受けた団体)が、分類

付与をおこないますので、全世界で、すべて

において同じ分類付与がされているかと

いうと、ちょっと違います)

 

 このために、利便性を考えて、分類付与に

おいては、特許文献中の情報は、“発明情報”と

“付加情報”の二種類に分けて付与しています、

ということです。

 

 それでは、発明情報とはなんぞや?という

ことですが、特許文献全体(例えば、明細書、

図面、請求の範囲)の中に書かれている、

従来技術への付加を表す技術情報のことを

いいます。

 

 どういうことかというと、発明というのは、

技術的思想の創作(のうち高度なもの)を

いいますが、この発明というのは全く何も

ないものからポッと出てくるものではなくて、

何らかの従来技術を応用して新しい技術が

生み出されるんだぞということです。

 

 まあ、簡単に言うと、「新しい技術情報」の

ことですが、これがテキストでは格調高く?

書かれているわけですね。

 

 それでは、もう一つの付加情報とは

なんぞやですが、それ自体は従来技術への

付加を示していない(つまり新しい技術情報

ではない)ですが、検索する人に有用な

情報を提供できると考えられる重要な技術

情報のことをいいます。

 

 例えば、付加情報として、組成物や混合

物の構成要素、方法または構造の要素

または部分、分類された技術主題事項の

使用または応用などを特定することにより

発明情報を補足することができます。

 

 この付加情報についての分類付与は、

国際的には義務化されていませんが、

日本の特許庁さんは、「国内運用として

分類付与を行ってるんだぞ、えっへん。」

と書かれています。

 

 前回取り上げました、インデキシングコードは

付加情報として表現されるんですね。

 

 この前書きましたように、付加情報として

表記した際に、表現上、分類記号と区別

することができませんが、どの分類記号と

関連しているかを、各インデキシング系列の

前の注、タイトルまたは見出しを参照する

ことによって調べることができるんです。

 

 ということで、この後に、長々とどのように

IPCを付与していくかが説明されていますが、

我々は分類付与の仕事をするわけでは

ないので、ここは飛ばしましょう。

 

 それでは、IPCの表記方法を見てみま

しょう。

 

 特許出願などを検索すると、このIPC

分類が、イタリック体(斜体)で書かれて

いたり、ボールド(太字)で書かれていたり、

普通の字体で書かれていたり、「いったい、

何なんだ?」ということになっています。

 

 あとは、特許文献に記載されるIPCの

上に、「Int.Cl.」とかこれに加えて数字が

書かれていたり、「もう、なんだかわかんねー

じゃん」ということになっています。

 

 ということで、「Int.Cl.」なる略語は、「国際的な

IPCに従って分類しましたよー。」という意味で、

IPC分類の7版までで分類付与されたものは

小さな数字が付いており、8版からは、いつ

改版されたかの年月が記載されるようになって

います。

 

 IPCを細かく分類する必要がある先進国?

の日本ではすべての分類を使用するフルIPC

分類が使用され、そんなに細かく分類する

必要がないような国は、メイングループまでで

分類付与しています。

 

 つまりは、たとえば、H01M33/00の先に

まだまだ詳細分類があるのに、H01M33/00

までで分類付与する国や、日本のように、

それより詳しい、33/00から33/99までも

分類付与する国があるわけです。

 

 ということで、IPCの8版からは、IPCをフルで

付与する日本のような国は、IPCをイタリック

体で記載することになり、そうでない国は、

フルで付与したらイタリック体、そうでなかったら

標準フォントで記載することになりました。

 

 すなわち、日本では、すべてフルIPCで分類

付与しますので、IPC第8版からはすべて

イタリック体になることになります。

(7版までは標準フォントです)

 

 それでは、太字と、太字でないものは何が

違うんだ?ということですが、太字が上記した

「発明情報」で、標準フォントが「付加情報」と

なります。

 

 ということで、難しくてなんだか読んでもよく

わかりませんし、眠くなってきましたので、

特許庁さんの資料を抜粋貼り付けさせて

もらいましょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20150625155019j:plain

 

 上は、第8版からの表記方法で、特許

文献のほうの太字がよくわからないので、

字の部分も貼り付けてあります。

 

 以下が7版までの表記方法で、上記で

説明しなかった「//」の説明がありますので、

ご参考。

 

f:id:oukajinsugawa:20150625155053j:plain

 

 ということで、まあ、特許サーチャーに

なるわけではありませんので、何かあった

ときは思い出していただいて、なんか変な

表記方法があったなぐらいに思い出せれば

よいでしょう。

 

 特許分類検索上級というのは眠くなって

くるもんだというのがよくわかりましたので、

これ以上説明すると完全に寝てしまいます

ので、次回からは、ファイルインデックスと、

Fタームの説明に移りましょう。

 

 それでは、また。