知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

堀江文海堂 

  堀江文海堂さん、知ってます?

 

  「ほりえぶんかいどー」・・・・・。

 

  ホリエモンとは違いますよ。

 

  超有名な会社なのに、知らない?

 

  ということで、この会社の本社は

東京、創業明治44年、資本金4億5千万円、

連結売上高は2014年3月期ですが

約378億円、事業内容は、文具事務

用品(画材、筆記具など)、電子機器

(タッチパネル、タッチスイッチ、ペンタブ

レット、デジタルペン など)、産業用

ロボット、産業用自動組立機、射出成型

用精密金型、 精密ハンドプレス、化成品

関連製品(化粧品部品、文具事務用品、

医療機器など)となっています。

 

 産業用ロボットは、1980年に小型精密

組立ロボット「PUHA」を開発し、ロボット

業界に進出しています。

 

 社長さんは、2012年5月までは堀江

さんでしたが、現在は和田さんが社長

です。

 

 事業別売上高は2012年度単体で、

文具87%、電子機器4%、産業用機器3%、

化成品5%、その他が1%という会社です。

 

 内訳をさらにホームページから貼り付け

させてもらうと、以下のようになっています。

 

f:id:oukajinsugawa:20150628100320j:plain

 

 どうです、わかったでしょう?

 

 えー、まだわからない??

 

 それじゃあ、「えーい、おまけだ」、

どんな研究開発をおこなっているのか、

特許出願から載っけてみましょう。

 

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 まず出願公開数ですが、2000年頃を

ピークに最近、毎年毎年減少傾向です。

 

 次は共願者ですが、以下のように、現

東京農工大学長の松永さんとの出願が

一番多いようです。

 

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 上はFI分類サブクラスで表示させて

いますが、出願が多い順に、

B43K、B43L:筆記用または製図用の器具

C09D:インキ;修正液等

G06F:デジタル計算機等

B65D:びん,箱,缶等包装容器

A61K:医薬用,歯科用又は化粧用製剤

B29C:プラスチック成型

A45D:マニキュアまたは他の化粧

等々、

 

 ということで、やはり文房具関係が多いよう

です。

 

 どうです、わかったでしょう?

 

 え?、まだわかんない?

 

 ファイナルアンサー?

 

 ということで、「ばかやろー、最初から

わかってたよ」という方もお出ででしょう

から種明かしをすると、「ぺんてる」さん

でした。

 

 ぺんてるさんは、正式名称「ぺんてる

株式会社」、明治44年に筆作りの職人

さんだった堀江利定さんが、明治44年に

屋号を堀江文海堂として創業し、戦後

1946年に大日本文具株式会社として

会社組織として、クレヨンなどの商標

として使われていた「ぺんてる」を1971年

に社名にしたんです。

 

http://www.pentel.co.jp/

 

 ちなみに「ぺんてる」の商標は、1968年

登録0771699を初めとして、10件以上

登録されています。

 

 最近、大塚家具さんのお家騒動があり

ましたが、ぺんてるさんでも2012年に

お家騒動があり、こちらは親子同士と

いうわけではありませんが、業績が低迷

していた2012年に、創業家の社長さんが

解任されてしまいました。

 

 ぺんてるさん、現在上場されていないので

正確な売り上げがわからないのですが、

2011年3月期の単独売上高約247億円で、

HPに出ている2014年3月期の単独

売り上げが約225億円ですので、業績は

回復していないようです。

 

 業績が、特許出願(出願公開数)と連動

していますね。

 

 必ずしも売上高と相関があるわけでは

ありませんが、やはり特許出願は研究開発

の成果ですので、特許出願数を見ると、

その企業の勢いがわかりますよ。

 

 芯が折れないシャーペン「オレンズ」だけ

では業績回復はなかなか難しいのでしょう

かね。

 

 ということで、おもしろいので、そのうち

忘れた頃に、知っとるけシリーズ第2弾でも

やってみましょう。

 

 それでは、また。