知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

東洋紡さんの、紙おむつ処理用防臭袋「ひねってポイ」

 東洋紡さん、 6月末に、紙おむつ処理用

防臭袋の「ひねってポイ」を売り出すそう

ですね。

 

 赤ちゃんのいる家庭だけでなく、保育園

など施設向けにも売り込むそうですが。

 

 最初はインターネットで販売し、30枚

入りで500~600円の予定だそうです。

 

 紙おむつ処理用としては、老齢ペット

(まさに、私の家のよぼよぼ犬もそう

ですが)用や、高齢者用紙おむつ用も考え

られますので、最初は赤ちゃん用紙おむつ

処理用として透明なものを売り出し、今後、

中身が見えないように、色が付いたものも

開発を進めるそうです。

 

 まあ、よぼよぼ犬ならぬ、よぼよぼ

王花陣じいさんも、今後お世話になる

ことでしょうから、早いところ、安くて

臭い漏れの少ないものを売り出して

欲しいものです。

 

 ということで、この「ひねってポイ」

ってどんなものなのかというと、普通、

ポリエステルフィルムは、折っても、

すぐに元に戻ってしまうわけですが、

東洋紡さんでは、折り目が付きやすく

元に戻りにくいポリエステルフイルムを

開発し、「オリエステル」という名前の

商品を販売しています。

 

http://store.shopping.yahoo.co.jp/atto-surprise/oriesuteru.html

 

http://www.toyobo.co.jp/news/2015/release_5442.html

 

 ちなみに、「オリエステル」は、商標登録

5664342となっていますので、プラスチック製

包装用袋や、化学繊維等に使用すると怒られ

ますよ。

(「ひねってポイ」も、現在商標登録出願中です)

 

 「ひねってポイ」のほうは、「オリエステル」

を応用し、袋の口を数回ひねるだけで

簡単に密封でき、臭いを外部に漏らしにくく

するそうで、一度閉じた袋が自然に開き

にくいんだそうです。

(まだ発売されていないので、日経産業

新聞の受け売りです)

 

 ということで、どんな発明なのか、またまた

プラピさん(J-PlatPat)のお世話になって

みましょう。

 

 検索すると、特許出願は2003年頃から

いろいろされていたようですが、ほとんど、

みなし取下げ(出願は、すれど、審査請求は、

せず)になっていますが、特許登録となって

いるものもありますので、この特許4946165号

(出願は2006年、登録は2012年)の「二軸

延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フイルム

および包装体」というのを見てみましょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20150610160907j:plain

 

 図面は上のようになり、良好なひねり性と

折り曲げ性を具備するために、ひねり包装用

または折り畳み包装用ニ軸延伸ポリエチレン

テレフタレート樹脂フイルムまたはロール

フイルムに改良を加えたものです。

 

 従来から、ひねり性と折り曲げ性に優れた

フイルムとしては、セロファンフィルムが

知られていますが、セロファンは吸湿性を

有するために特性が季節により変動し、

一定品質を維持しながら供給することが

困難でした。

 

 このため、ポリエチレンテレフタレート

ベースフイルムとした包装材が使用されて

いるのですが、逆に、腰が強いという難点が

あり、包装後その形状保持ができず内容物が

出てくるといった問題がありました。

 

 この解決手段として、材料等から、ポリ

エチレンテレフタレート樹脂フイルムの、

密度、摩擦係数、ひねり保持角度が好適に

なるように調整し、数回ひねるだけで簡単に

密封できる、ニ軸延伸ポリエチレンテレ

フタレート樹脂フイルムの発明に至った

そうです。

(上記内容は、私のほうで、特許文献から、

抜粋編集貼り付けしています)

 

 まあ、一番臭い漏れがしないプラスチック

フィルムは、以前以下に書いたように、ポリ塩化

ビニリデンだそうですが、破れにくくて、

袋にできるようなポリ塩化ビニリデンフイルムの

作製は難しいのかもしれません。

 

oukajinsugawa.hatenadiary.jp

 

 ということで、それではまた。

 

 

 

2015年6月12日(金)追記:

 ドクガクさんコメントありがとうございます。

 

 このままコメントをアップしてよいのかどうか

わかりませんが、とりあえずそのままアップさせて

頂きます。

 

 昨年に続きお誘いありがとうございます。

 

 残念ながら、今年も、終日予定が詰まっており、

申し訳ありませんが参加ができない状態となって

おります。

 

 大変申し訳ありませんが、今後もよろしく

お願いいたします。