知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

すずもさんのシャリ弁ロボ

 この前、回転寿司コンベアメーカー

最大手の石野真子ちゃん(いしの

ようこちゃんでもいいですが)を

取り上げました。(正確には、株式

会社石野製作所さんで、販売部門

北日本カコー株式会社さんですね)

 

oukajinsugawa.hatenadiary.jp

 

 また、寿司つながりで、シャリ玉マシン

に進出して業界2位のオーディオテク

二カさんと、おにぎりマシンでは業界

1位の不二精機さんを取り上げました。

(こちらのほうを先に取り上げましたが)

 

oukajinsugawa.hatenadiary.jp

 

 「じゃー、シャリ玉マシンの業界1位は

どこなんだよー」というのを、今回は

書いてみましょう。

 

 最近、建設、外食、小売りといった業界で

人手不足感が否めませんが、この人手不足を

新しい技術や機械化(ロボット化?)で

補おうという動きがあるようです。

 

 以下の厚生労働省の2月の統計に

よると、平成21年をピークに年度別

での有効求人倍率が上昇しており、

小売業の月別対前年比もおしなべて

上昇しているようです。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000078544.html

 

 また、以下の日本食品機械工業会の

統計によると、2012年、2013年の食品機械

全体の売上も伸びているようですね。

 

http://www.fooma.or.jp/statistics/year_html

 

 このために、レジ打ちのパートさんの

不足を見越して、買い物客が自ら清算

する、セルフレジの売り込みをおこなって

いるメーカーさんもいろいろあるようで。

(私のよく行くスーパーも、7割程度が

セルフレジですよ)

 

 中小の食品加工業でも人手が足りなく

なって来ており、アーム型ロボットの

引き合いも増えているそうです。

 

 ということで、コンビニなどでよく売れる

おにぎりを握るおにぎりマシーンなども

必要になってくるわけで、この前の不二

精機さんの会社情報を書きませんでした

ので、調べると以下のようになっていま

した。

 

http://www.fuji-seiki.co.jp/

 

 正式名称は不二精機株式会社、

設立1962年、本社福岡、資本金

1億円、売上高79億4600万円、

従業員数260名、事業内容は、

米飯加工機械・食品機械全般及び

製菓、製パン機械の製造・販売。

 

 会社概要によると、「包あん機」

「おにぎりロボット」「弁当ロボット」

「IH炊飯ロボ」「巻寿司機」「いなり

寿司機」「寿司ロボット」.、ヌードルマシン、

パスタマシンなど、「コンビニエンス」

「寿司」「外食産業」「駅弁」「給食」

「製パン」「和菓子」「麺」業界等の

省力化・自動化等をおこなっている

そうです。

 

 ということなのですが、それでは、

シャリ玉マシンはどうなっているんだ?

というのを、私のほうでは知的財産

アナリストっぽく、市場シェアの観点から

ではなくて、特許出願傾向から探って

みましょう。

 

 まずは、この前、オーディオテクニカさん

のところで書きましたが、 おにぎりの製造

装置やお寿司の製造装置という特許関係の

技術分類は何だっけ?ということで、

FIのほうで、A23L1/10Gというのが

あることを書きました。

 

 念のためにA23L1/10を書いてみると

以下のようになります。

 

・1/10 ・穀類誘導製品を含有するもの

     A 米の処理法〔例.冷凍米,強化米,アルフア米〕

     B 炊飯方法〔例.かゆ〕

      C ・玄米の炊飯方法

     D 炊飯装置〔例.アルフア化装置〕

      E 米飯及びその処理方法〔例.カレ−ライス,盛付機〕

     F 握り飯,すし〔例.握り飯用包装材〕

     G 握り飯,すしの製造装置

      H 麦,そば,とうもろこし

      Z  その他穀類誘導製品及びその処理法

     101 ・・麩

     102 ・・餅

 

 ということで、結果は以下となりました。

 

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 出願公開も、登録も、実は、鈴茂器工株式会社

さんがトップなんですね。

 

 それでは、鈴茂(「すずも」と読みます)さんを

調べると以下のようになっています。

(話は違いますが、最近、広瀬すずちゃん、

大人気ですね)

 

http://www.suzumo.co.jp/

 

 設立が1961年、本社練馬、資本金

6億1,162万円、売上高約76億円、

従業員数:277名、事業内容:米飯加工

機械、充填機械、包装資材及び寿司

ロボット及び食品資材等の製造販売等

となっており、先ほどの不二精機さんと

売り上げ規模、従業員数規模など似通った

ところがあります。

 

 そこで、すしロボットシェアを見てみると、

以下のように、国内シェアが6割で、

鈴茂さんが業界ナンバーワンなんですね。

 

http://wbslog.seesaa.net/article/187474256.html

 

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0800D_Y0A101C1000000/

 

http://jcpress.sakura.ne.jp/shokuhin/wp03/?p=3145

 

 というように、知財戦略を練るときには、

特許出願状況などを調べることによって、

力の入れ具合、シェア予測などもできますよ。

(必ずしもシェア予測が当たるとは限りま

せんが)

 

 商標のほうも、「シャリッカー」、「すし

板ロボット スシ板ロボット」、「寿司職人」、

「寿司職人 助っ人」、「シャリ弁ロボ」、

「シャリベンロボ」などいろいろ登録されて

いますので、食料加工用の機械器具などに

使用すると、すずもさんに、怒られますよ。