知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析ロボットスーツ編 13 上肢支援装置

 それでは、今回はFタームテーマ

コード4C097「補綴」のBB02「身体外

へ装着して用いる人工器官」、BB03

「身体装具」で検索をかけた内容を

見てみましょう。

 

 基本的には、前回までに見て来た

下肢関係も含まれていますので、

上肢関係のAA10「脊柱;脊椎」、

AA11「手・腕・肩等の上肢」、AA12

「指」、AA13「肘」などで絞って見て

いきましょう。

 

 まず、指関係です。

 

・ 電動義手

特開2015−37713

西村省三(個人の方です)

 

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 従来の機能を維持した状態で小型化に

適した電動義手を提供するそうで、基台

複数のモータを取り付けて、このモータ

の動力で各義指を動かすようにしており、

小型化のために、第三義指と第四義指

とを連動するスライド部材を設けたり

しているそうです。

 

・ 指アシスト装置

特開2014−180298

セイコーエプソン株式会社

 

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 セイコーエプソンさんも参入して

いるんですね。細部加工の技術を

応用しているのでしょうか?

発明としては、複数の関節を独立して

駆動することができるように、小型で

使い易い指アシスト装置としているそうで、

複数のユニットを、指の屈曲方向に

回転可能に連結して、ユニットを薄い

形状とし、1本ずつの指に対して装着

することが可能で、小型で装着し易く、

且つ使い易い指アシスト装置として

いるそうです。

 

 次は肘関係です。

 

・ 装着型動作支援装置

特開2012−61262

国立大学法人岐阜大学

 

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 以前分析したときに、三重大学

ルミナスジャパンから同じような

構造の出願がありましたが、

肘関係はどうしても同じような

構造になってしまうのでしょうか。

 

・ 筋力補助装置

特開2009−279130

パナソニック株式会社

 

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 こちらのほうは、エアシリンダーを

用いて伸展動作と屈曲動作を得る

ようにするんだそうで、関節の一方の

骨に沿って配置される第1装着具、

関節の他方の骨に沿って配置

される第2装着具、連結するバネ関節

とからなっていて、エアシリンダで

肘の伸縮をおこなうそうです。

エアシリンダは重いので、軽量化が

鍵でしょう。

 

 次は、脊柱;脊椎関係です。

 

 ここでは、クボタさんのラクベスト

などが出てくるわけですが、クボタ

さんは以前に取り上げましたので、

飛ばしましょう。

 

・ 多自由度補助装置

特開2013−176429

国立大学法人筑波大学

 

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 サイバーダインの山海先生の

出願で、上体補助機構は、装着者

の上肢に装着される上肢フレーム、

上肢フレーム支持脊椎ユニット

(多自由度補助装置)、腰に装着

される腰フレームとからなっていて、

脊椎ユニット左右両端に前後方向に

揺動可能に連結された肩フレーム

となっているそうです。

 

・ 動作アシスト装置及び装着具

特開2013−132396

アイシン精機株式会社

 

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 アクチュエータが不要で、利用者が

装着している状態においてもアシスト

機能の遮断が可能で、膝から上に

装着する動作アシスト装置だそうです。

互いに揺動可能な複数の背骨部材3を

連結して、利用者の背中に装着される

背骨ユニット2と、利用者の前屈姿勢

時に復元力を発生させる作用状態と

復元力を発生させない非作用状態と

に切り換え可能で、背骨ユニット2に

取り付け可能な弾性部材7と、背骨

ユニット2の上から利用者の臍から

大腿部にかけて身体の周囲に

巻き付けられて背骨ユニット2を固定

する非伸縮性の腰ベルト6から

なるそうですよ。

 

・ 腰部補助装置

特開2013−75078

学校法人東京理科大学

 

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 左右の下肢の状態との関係を考慮

して適切に腰部を補助する腰部補助

装置だそうで、左右の検出装置により

それぞれのアクチュエーターが駆動

するそうです。

 

 最後に、手・腕・肩等の上肢ですが、

上に取り上げたものと同じようなものが

出てきます。