知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

折れないシャーペン、おおはやり!

 ニューウェル・ラバーメイドって

知ってます?

 

 「え?、何? ニューウェルラバー

メイド? なんだそれ?」と思った

方が多いのでは?

 

 「ばかゆーなよなー、ちゃんと

わかってるよ」とつぶやいた、

あなた!!

 

 そう、あなた!!

 

 いつものように、

 

 「あんたは、偉い!!」

 

 ということで、子供向けの本格的な

万年筆が売れてるんだそうですね。

 

 ネットとかで調べると、2008年頃から

文房具の売り上げ規模が落ちているよう

ですが、パイロットの万年筆「カクノ」は

2013年10月発売から、販売数

50万本を突破しているんだそうです。

 

http://www.pilot.co.jp/products/pen/fountain/fountain/kakuno/

 

 50代の9割以上が万年筆を

使った経験があるそうですが、

調べたら、20代の半数以上が

万年筆を使ったことがないという

ことで、新しいユーザーを掘り起こ

そうということになったんだそうです。

 

 上のように、価格は1000円だそう

ですよ。

 

 まあ、今の子供は、キーボードに

慣れ親しんでいますので(もう、キー

ボードの時代ではなく、指タッチの世界かも

しれませんが)、万年筆なども使わなく

なっているのでしょう。

 

 この「カクノ」というのは、子供の

手になじみやすいように設計されて

いるそうで、正しい持ち方をも誘導

するようになっているようですね。

 

 当初はユーザーターゲットを子供に

狙い定めたようですが、実際の

ユーザーは若い女性が多いとの

ことでした。

 

 ということで、最初の話に戻って、

「ニューウェル・ラバーメイド」って

なんだ?という話ですが、皆さん、

パーカー万年筆はご存知ですよね。

 

 このパーカー万年筆を販売して

いるのが「ニューウェル・ラバー

メイド」さんなんです。

 

 知ってました?

 

 パーカーは超有名ですが、ニュー

ウェルなどといっても知らないです

よね。

 

 ニューウェルラバーメイドさんは、

米国の企業で、HPは以下になり

ます。

 

http://www.newellrubbermaid.com/Pages/Index.aspx

 

 この会社の概要は以下の日本の

HPのほうがわかりやすいのですが、

この会社は万年筆だけやっているん

ではないんですね。

 

http://www.rubbermaid.jp/rubbermaid

 

 見ていただくとわかりますが、

キッチン用品、食品保存容器、

ボトルやクーラーボックスなど

いろんな製品を出しているんです。

 

 ということは、主婦の皆様方は、

食品容器などで馴染みがあるかも

しれませんね。

 

 最初のところで、「そんなの知ってるし、

常識だわ」と、食品容器関係でお馴染み

だった方は、おみそれしました。

 

 私が知らないだけだったんですね。

 

 ということで、万年筆の話をするのか?

というのを裏切って、筆記具つながりの

話です。

 

 最近芯が折れないというシャーペンが

各社から売り出されていますね。

 

 ゼブラさんでは「デルガード」、

プラチナ万年筆は「オ・レーヌ」、

ぺんてるは「オレンズ」、

三菱鉛筆は「クルトガ」、などなど。

 

 といろいろあるようですが、私は

最近シャーペンを使わないので、

本当に折れないのかよく知らないの

ですが、どうなんでしょうね。

 

 なぜ折れないのかという説明は

以下のURLにありますので見て

いただくとして、私のほうでは、折れ

ないシャーペンの特許出願状況は

どうなってんのかいな?というのを

ちょっと調べてみましょう。

 

http://matome.naver.jp/odai/2141275646360115901

 

http://matome.naver.jp/odai/2141606286689533401

 

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20140709/1058963/

 

 まずは、調べるためにPMGSの

シャープペンシル」と打ち込んだと

しても、「おめー、何入れてんだよー。

川徳治とか福井庄次郎がつけた

名前なんだからそんなの入れんなよな」

と言われるのが落ちですよね。

 

 と思って試しに打ち込むと、「あーら

不思議、なんということでしょう」

ビフォーアフターの口真似で読んで

ください)、Fタームのテーマコードに

シャープペンシルというのがあるんですね。

 

 特許庁さん、ハイカラな名前も

つけるようになったんですね。

(ハイカラってまだ使われている

言葉なんでしょうか?)

 

 ということで、最初からあきらめて

かかってはダメなようです。

 

 テーマコードは2C353なんだ

そうですよ。

(IPCでは、B43が筆記用・製図用

器具で、B43Kはやはり同じ、B43K

21/00が操出鉛筆となっていて

これがシャーペンになります)

 

 Fタームを眺めてみると、FE18が

「過大筆圧緩衝装置」、FG01が「芯

折れ防止」、FG02がFG01をさらに

細かくして、「衝撃、振動による芯折

れ防止」となっていますので、この

3つで論理和を取ってみましょう。

 

 そうすると、トータル128件で、

株式会社壽さんが43件(壽さんは、

以下のようにシャーペンなどの

OEMをおこなっている会社です)、

ぺんてるさんが36件、三菱鉛筆

さん27件、パイロットさん(パイ

ロットとパイロットプレシジョンの

2つを含む)21件、ゼブラさん7件

となっており、プラチナさんの出願は

ないようですね。

(ちなみに、プラチナさんの正式名称は

「プラチナ萬年筆株式会社」ですので

出願人で検索するときには、「萬年筆」と

入れないと、0件という答しか返って

来ませんよ)

 

http://www.koto-com.co.jp/

 

 この中でぺんてるさんの2件の

登録特許が被引用回数15回、

出願が1997年の5月と9月で

まだ登録抹消されていないので、

いーい仕事をしていると思われます

のでちょっと内容を覗いてみましょう。

(特許3885315と3882272です)

 

 2つとも同じ課題と同じ解決手段

ですので、まとめて書いてみます。

 

  まず、問題点ですが、シャ−ペンは、

筆記を続けると芯が片減りし、芯の

端面が楕円状になってしまい、筆記線

の幅が次第に太くなってしまっていた

んだそうです。 

 

 この解決法として、細い径の芯で筆記

する方法もあるんですが、芯が細いと

折れやすいし、シャーペンを回転させる

という方法もあるのですが、毎回毎回

そんなことをするのはめんどいよね、

という問題もあったんですって。

 

 「じゃーどーすんだよー」という

ことですが、芯のチャック機構に回転

手段を入れればいーよねーという

もので、これを、折れやすいという

問題への解決方法としているという

ものでした。

(かなり端折って書きましたので、

必要な方は、原文を見てください)

 

 このほかにも、いろいろな解決方法

の特許出願があるのですが、長くなって

しまいましたので、今回はこのくらいに

しますが、ちなみにゼブラさんのデル

ガードは、昨年11月に発売された

ばかりなので、この技術の特許出願

公開は、まだ、されていませんでした。

 

ということで、また。