知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

お兄ちゃん、ガチャ

 「お兄ちゃん、ガチャ」、見てます?

 

 お兄ちゃん、ガチャ・・・・・。

 

 知らない人で、キー局じゃない人は、

以下の時間帯ですよ。

 

 今週の放送は終わってしまいましたが。

 

・ FBS(福岡放送):水曜26:10、

・ CTV(中京テレビ)水曜26:15

・ MMT(ミヤギテレビ):月曜24:59

・ YTV(読売テレビ):水曜26:43

 

 関東圏のキー局の人で、夜中に暇で、

さらに、「土曜の夜、見るようなテレビ

ねーよなー」という方は以下になります

ので今週見てみてください。

(「そんなに暇じゃねーよ」という方は、

すんません)

 

 時間は、土曜が終わって日曜になった

AMの0時50分、日本テレビです。

 

 どんな番組かというと、ガチャポンで

カプセルを出して、夜、お風呂に入れて

おくと、朝にはイケメンお兄ちゃんに

なっているというものです。

(おねーさんが出てくるという回も

ありますよ)

 

 主人公は、八重の桜で主人公の

子供時代を演じた鈴木梨央ちゃんで、

綾瀬はるかさんの子供時代と言って

もいいですが)、もう一人の主人公が、

ジャニーズJrの岸優太さんで、

ジャニーズJrとかの若いイケメンが

たくさん出てきます。

 

 梨央ちゃんは、最近ひつじさんと

ポカリスエットのCMにも出てますね。

(ひつじさんではなくて、吉田羊さん

ですが)

 

 基本的に子供番組だと思うのですが、

時間帯が時間帯ですので、若いイケメン

ということで、女子の中学生、高校生や

若いイケメン大好きおねーさん方を

狙っているのかもしれません。

(若いツバメが大好きな、ご熟女さん

だったりして?? イケメンではなくて、

ワッキーお兄ちゃんが出て来てしまった

という回もありましたが)

 

 ということで、「今日は、おめー、

お兄ちゃんガチャの話をするのか?」

というところなのですが、そーなんです、

本日は、ガチャポンの話なんです。

(お兄ちゃんガチャではないですが)

 

 私はガチャポンと言っていますが、

これは、メーカーさんごとに名前が違う

わけでして。

 

 たとえばバンダイさんの登録商標は、

ガシャポン」が商品「自動販売機」で

登録されており、他にもいろんな商品で

登録があり、「デジタルガシャポン

なんていうのもありますね。

 

 「ガチャポン」、「ガチャガチャ」の

ほうも、バンダイさんで登録されており、

こちらの指定商品には自動販売機という

のは入っていないようです。

(おもちゃというのはありますが)

 

 これが、タカラトミーアーツさんになると、

「ガチャ」や「ガチャンコステーション」と

なり、「ガチャ」の指定商品は、そのもの

ずばりの「カプセル入りおもちゃの自動販売機」

となっていて(登録4106448号)、「ガチャンコ

ステーション」の指定商品は「おもちゃ」とかに

なっています。

 

 エポックさんはどうかというと、「カード

ガチャ」などで、事務用品や、耳栓、アーク

溶接機などというもので登録され

ていますが、自動販売機はないですね。

 

 また、「カプセルコレクション」というのも

登録されており、こちらのほうは、遊園地

用機械器具で登録されています(登録

5390060号)。

 

 ということなのですが、ガチャポン事件

というのがあったのご存知ですか?

 

 事件名は私が勝手につけているので

正式名称ではないですが、知財高裁

の判決名は「平成19年(ネ)第10098号

特許権侵害差止等請求控訴事件、

平成20年(ネ)第10005号附帯控訴

事件(原審・東京地裁平成18年(ワ)

第474号)という、ながーい長い名前の

事件です。

 

 この事件についてはウエブで検索して

いただければいろいろ出てきますので

調べていただくとして、私のほうでは

簡単にどのような事件だったのかを

書いてみましょう。

 

 これは、まず、バンダイさん(共有

権利者の大和精工さんも一緒に原告

となっています)が、自社のカプセル

特許4件とカード特許3件について、

エポックさんが侵害しているとして

訴えたんです。

 

 何を侵害しているかというと、

いろいろ争点はあるのですが、商品

カプセルなどがなくなったときに、

簡単に、この商品収納ケースを入れ

替えられる機構などが争われ

ました。

 

 この訴訟では、エポックさんが、

「特許は無効だ、無効だー、そんなの

かんけーねー」などと言ったために

(そうは言っていないと思いますが)、

これにより特許が無効になったものが

あったりしましたが、結局、東京地裁

でも、控訴審知財高裁でも

磐梯山の勝ちー」(バンダイさんです)、

となりました。

 

 その後、エポックさんが「納得できん

わい、おらこんなのいやだ~~」とか

言って(言っていないと思います)、

最高裁に告げ口したんです。

(ちなみに、一審に対する不服申し

立ては控訴、二審に対する不服

申し立ては上告ですので、今回は、

告げ口ではなく、上告ですね)

 

 そうすると、最高裁は、「めんどい

から聞いてやんない」(とも言って

いないですが)となって、バンダイ

さんの勝ちで決着がついてしまい

ました。

 

 ということで、長くなってしまいました

ので、ガチャポンの発明は、もう枯れた

技術なのか?ということで、特許の

出願はまだあるのか?、というものを

調べておしまいに致しましょう。

 

 ところで、いかにもガチャポンを

知っているかのように書いてきましたが、

私は一度もガチャポンをやったことが

ない典型的なおやじなわけでして。

 

 ガチャポンそれ自体をまじまじと

見たこともないのですが、あれって、

電気仕掛けじゃないんですってね。

 

 ハンドルを回すと、機械仕掛けで

商品が出てくるそうです。

 

 ということで、IPCやFIを使うと

自動販売機という大きなくくりに

なってしまい、ガチャポン自体に

絞り込めませんので、Fタームの

3E046「個別商品用自動販売機」、

収納用品の形態はBB06「カード」、

BB07「球状体」、駆動手段はEE05

「手動」で絞り込むと、まだまだ

出願されているんですね。

 

 バンダイさんが一番多く、タカラ

トミーアーツさんがこれに次ぎ(昔の

名前のユージン含む)、大和精工

バンダイさんと共願です)、セガ

サミーなどが続きます。

 

 2014年の公開件数は8件で、

まだまだ開発されているようです。

 

 残念ながら、「お兄ちゃんガチャ」

の特許出願はないようで、これで、特許、

意匠、商標登録をしてしまえば、めちゃ

くちゃ独占的に、女子小中高生、

若いおねーさん方、じゅくじゅく

熟女の方々に売れると思うのですが、

いかがでしょう???

(発明が一番ネックですね)