知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ナベルの塔

 「おいおい、最初から間違ってんだ

ろう。 バベルの塔だろ?」、という

声が聞こえてきそうですが。

 

 バベルの塔って、はるかな昔に

宇宙船が地球に不時着してしまい、

仕方がないので宇宙人のバビルが

巨大な塔を作り上げ、3匹のしもべに

5000年もの間守らせていた塔です。

 

 高性能の電子頭脳が、中に鎮座して

おり、何かあると砂嵐を起こして、

バベルの塔を見えなくしてしまうん

です。

 

 「おいおい、それは違うんでねーの」

というあなた、そう、あなた、

漫画かアニメの通ですね。

 

 ということで、何にでも姿を変える

ことができるロデムと、巨大怪鳥ロボの

ロプロス、超巨大ロボットのポセイドン

に守らせていたのは、横山光輝さん原作

バビル2世です。

 

 本当のバベルの塔は、旧約聖書

出てくる巨大な塔でして、本当にあった

のかどうかはまだわかっていないですね。

 

 ということで、昔の巨大建造物などを

想像するのはワクワクしてくるんですが、

いくら考えていても想像の域を出ない

ので、現実の話をしていきましょう。

 

 京都に株式会社ナベルという会社が

あります。

 

https://www.nabel.co.jp/history/

 

 この会社は何をしている会社かと

いうと、卵選別機など、卵関係の機械を

作っている会社です。

 

 設立は1977年、資本金8200万円、

売上高37億5800万円で、従業員数が

123名という会社です。

 

 ホームページでわかるように、知財

功労賞をもらったり、「元気なモノ作り

中小企業300社」に選ばれたりして

います。

 

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/monozukuri300sha/5kinki/26kyoto_06.html

 

 この企業は、がっちりマンデーでも

取り上げられており、番組では、とある

工場にナベルさんがおさめた、世界最速

たまご選別機「G-ネイグス4000」という

機械を紹介していました。

 

 番組では、「とある工場」とだけしか

紹介していませんでしたが、茂原にあって、

卵を大量に使用する工場といったら、

シャトレーゼさんとか鳥幸商店さんとか

あるのですが、どこなんでしょう?

 

 機械では、1分間に660個の卵の

不良品選別をできるんだそうです。

 

 ふむふむ、というところなのですが、

「不良品というのはどんな不良品なん

だ?」というのは、汚れや、ひび割れ

などをチェックするんですね。

 

 まあ、昔は手作業で選別していた

わけで、ナベルさんの1980年の日本

初の全自動たまご選別機では、1分間に

330個の選別ができたそうです。

 

 汚れはカメラがチェックし、ひび割れ

は叩いて調べるという方法で、まあ、

これらは定番でしょうが、いかに早く

これらをおこなうかというのがノウハウ

なんでしょう。

 

 その後に、卵を割らないように容器に

移すのもノウハウなんだそうで、移送

速度封殺技術と言い、いろいろあるん

ですね。

 

 ということで、商標などはどうなって

いるのかなと思って調べてみると、

あれ??違う住所の株式会社ナベル

さんがありますね。

 

 調べてみると、三重県伊賀市にも

まったくおんなじ名前の会社があるん

です。

 

ジャバラの株式会社ナベル

 

 商標のほうは、両方からの登録があって、

京都はNABELで伊賀はNABELLですし、

意匠のほうも調べると、仲良く2件づつ

登録されていました。

 

 京都のナベルさんで登録商標が「けん

ぞう先生」登録5518525号、電子雑誌・

電子書籍 印刷物・雑誌・書籍というのが

あるのですが、確かに京都のナベルさん

なのに、全然卵と関係ないのに「なぜ??」

という登録もありましたが。

 

 ということで、気を取り直して、特許の

ほうの出願公開を見てみると、トータル

198件ありますが、やっぱり両方から

出ていますので、この前勉強した、

識別番号で検索することに致しましょう。

 


国民総背番号制?? - 知財アナリストのひとりごと

 

 調べると、伊賀のほうの識別番号は、

593208751で、京都のほうは597017812

ですので、「597017812」と打ち込むと、

出てきました、出てきました。

 

 147件ですね。

 

内容を見てみると、2000年以前は、

野菜などの選別装置なども多かった

ですが、2000年以降は、卵の選別に

専念しているようです。

 

 やはり一番多いのは卵の検査、選別、

洗浄関係が半数近くを占めており、次が、

衝撃に敏感なもの(すなわち卵ですが)の

包装、次がコンベア、物理的性質の調査

(ひびが入っていないかの調査です)、

光学的手段(カメラでの選別ですね)、等々

と続いていきます。

 

 ということで、我々のいつも目にする

コンスーマー製品は、日々お目にかかって

いますが、B to B(企業間での取引、産業

機械等)での製品というのは知っている

ようで知らないものです。

 

 ということで、それではまた。