知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

CYBERDYNEのロボットスーツHAL

 この前、ハンサムスーツという題で

ロボットスーツの話を書きましたが、

今回はその続きです。

 


ハンサムスーツ? - 知財アナリストのひとりごと

 


医療分野が熱い!! - 知財アナリストのひとりごと

 

 ハンサムスーツの回ではアクティブ

リンクさんなどを取り上げましたが、

今回は「HAL」を開発しているベン

チャーのサイバーダインさんです。

 

 サイバーダインさんのHPは以下と

なり、正式名称「CYBERDYNE株式

会社」、資本金165億1,100万円

(2014年12月12日現在)、平成26年

3月期売り上げ4億5,600万円、営業

損失11億5,400万円、社員は100人と

いう会社です。

(2004年設立のベンチャーで、営業

利益が赤ですが、2014年3月に東証

マザーズに上場しましたので、資本金

が潤沢になっています)

 

http://www.cyberdyne.jp/

 

 平成27年3月期の第2四半期決算

短信でも営業利益、経常、純利益とも

赤字になっており、会社四季報2015年

1集でも、「病院との一部契約遅れ、

ドイツで治療サービスが想定より伸び

ない、営業赤字続き、前号から拡大」

となっています。

 

 ということで、このブログは株価

指標を予測するブログではないので、

営業利益などは置いておいて、どの

ような会社かをさらに見てみましょう。

 

 「平成26年3月期決算短信[日本基準]

(連結)の一部訂正」というものを見て

みると、事業内容は、介護福祉や生活

支援を行うものですが、「世界初の

パーソナルケアロボットの国際安全

規格(ISO/DIS13482)の認証を取得した

ロボットスーツHAL福祉用」が、

連結会計年度においても引き続き

日本国内の福祉施設や病院に導入され、

平成26 年3月時点で、162 施設で運用

され、355 台が稼働中」だそうです。

 

 このため、三重県鈴鹿ロボケア

センター、藤沢に湘南ロボケアセンター、

大分に大分ロボケアセンターなども

設立し、HALを利用した歩行練習等

のリハビリトレーニングサービスの

提供もおこなっているんだそうです。

(テレビなどによると、レンタルだ

という話もありますが)

 

 資料によると、「ロボットスーツ

HAL」は脳からの微弱な電気振動を

電極パッドで読み取って動き、意思

どおりに歩けるようにアシストし、

リハビリとラーニングをおこない、

この感覚を脳に植え付けるように

するんだそうです。

 

 サイバーダインさんは、つくば

大学の山海嘉之教授が起こした

ベンチャーですが、それでは、

どのようなロボットなのか、

IPDLで見てみましょう。

 

 「CYBERDYNE」で検索すると、

すべてがヒットしないようなので、

発明者の「山海嘉之」さんと論理和

取って検索してみましょう。

(ちなみに、「サイバーダイン」で

検索すると、アメリカの「サイバー

ダイン コンピューター コーポレー

ション」というのがヒットして

きます)

 

 そうすると、出願人が「CYBERDYNE」

では公開数は11件でしたが、発明者

「山海嘉之」さんとの論理和では68件と

なりました。

 

 内容を見てみると、再表2009-081710

「装着式動作補助装置」、

f:id:oukajinsugawa:20150124122405j:plain

特開2013-13499「装着式動作補助

装置」、

f:id:oukajinsugawa:20150124122454j:plain

特開2013-173190「装着式動作補助

装置」、

f:id:oukajinsugawa:20150124122546j:plain

さらには、特開2010-240285「装着式

動作補助装置」、 

f:id:oukajinsugawa:20150124122657j:plain

特開2014-144037「義肢装着式動作

補助装置」、

f:id:oukajinsugawa:20150124122744j:plain

特開2009-95382「埋込型動作補助装置

及びその制御方法及びプログラム」、

f:id:oukajinsugawa:20150124122811j:plain

などなど、ロボットスーツのみならず、

様々な形態の医療用機器を開発

していくようです。

 

 ということで、サイバーダイン

さんを見てみましたが、そのうち

時間があるときに、アシストロボ

全体の研究開発動向なども見て

みましょう。

 

 テレビなどの受け売りですが、

サイバーダインさんは、今後、

子供用HAL、機能を必要な部分

だけに絞ったHAL(上の図の、手の

部分に機能を絞ったものなどが

そうでしょう)、介護者向けの

作業支援用HALなどいろいろある

そうですので、是非赤字を解消

して頑張って開発して欲しいもの

です。