知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ヤング率とゴムメタル

 玉掛け知ってます?

 

 玉掛け・・・。

 

 私の昔の同僚で、全然違う仕事

なのに、玉掛けの免許を持っている

人がいました。

 

 クレーンなどを使うときに、荷物を

吊るしたワイヤーロープなどをフックに

掛けたり、外したりする作業が玉掛

です。

 

 重心一定の荷物を常に引っ掛ける

わけではないので、素人がおこなうと

結構危ないことになるわけで。

 

 ということで、結構危ない仕事なので、

玉掛技能者は国家資格となっており、

講習などを受けた後に試験を受けて

資格を取得する必要があります。

(と、いかにもという感じで書いて

いますが、私もウエブからの聞き

かじりです)

 

 私の昔の同僚、今頃、玉掛け資格を

生かしているんでしょうか?

 

 昔はボイラー技士免許を持っている

同僚も結構いましたが(そのほかに、

ボイラー整備士とかボイラー溶接士

とかがあるわけで)、ボイラーもコン

ピューター化が進んで、「免許を持って

いても役に立たない」と言っていました。

 

 ということで、今日は、「玉掛資格の

取得方法の話か?」というところですが、

ちょっと違って、玉掛ワイヤーのほうの

話です。

 

 この前の日曜の「がっちりマンデー」を

見た方もお出でと思いますが、ワイヤー

特集をやっていました。

 

 この中で紹介されていたのは、中村

工業株式会社というところで、玉掛け用

の輪っかを作っていました。

 

 玉掛用の輪っかというのは、撚線に

なっているワイヤーロープの先っぽの

撚ってある部分の撚りを戻し、撚線材料

の細い元線ワイヤーを、元の撚っている

ワイヤー部分に差し込んでいき、編み

込むんだそうですね。

 

 複雑な作業なので、機械化は無理

なんだそうです。

 

 細い元線材だったら問題ないので

しょうが、直径10センチにもなるワイ

ヤーへの編み込みは、人間の力だけで

編み込むので、体力勝負も体力勝負、

作業者の方の腕の力こぶはすごかった

です。

 

 仕事で毎日体力トレーニングをして

いるようなもんでしょう。

 

 この中村工業株式会社さんをウエブで

調べると、同じような「おーい、なーかむーら」

君が沢山出てきます。

(「いつの歌うたってんだよー?」という

ところですが)

 

 その中でも、「ワイヤーロープの総合

サイト - ロープファクトリー[ROPE

FACTORY]」というのが目的の「中村」

さんで、本社が大阪、資本金1000万円、

従業員数25名の会社でした。

(HPが派手ですね)

 

http://rope.jp/

 

 次は、株式会社小柳出電気商会と

いうところで(オヤイデと読みます)、

ここは、プラグや電源ケーブルなどを

製造しているところで、、本社は東京、

資本金1000万円、従業員23名と

いう会社です。

(上記の中村さんと同じような企業

規模ですね)

 

http://www.oyaide.com/

 

 ここは、何で取り上げられたかというと、

三州電線株式会社さんと組んで、高級

オーディオケーブルを製造しているんだ

そうです。

 

http://www.sanshu-ew.com/

 

 普通の音楽ケーブルと違って音が全然

違っていて、オーディオケーブルの年商が

10億円と言っていました。

(音をよくするために、何種類もの太さの

ワイヤーを使用して、真円に近いオーディオ

ワイヤーにするんだそうです)

 

 オーディオマニアにとっては知る人ぞ

知る??なのかもしれませんが、比較の

音をテレビを通して聞いてもさっぱり

わかりませんでした。

(「きっと、生で聞いたとしても、耳が悪い

私では聞き分けられなかったと思いますが)

 

 さらに紹介されていたのは、東京製綱

株式会社さんで、本社は東京、創立1887

年、東証一部上場という由緒正しき??

会社で、資本金10億円、売上709億円、

従業員数1,878名という大きな会社です。

 

http://www.tokyorope.co.jp/

 

 ここは、何をやっているかというと、HP

でもわかるように、横浜ベイブリッジや、

クレーン、ロープウエイ、エレベーター

など大物用のワイヤーロープを作って

いる会社です。

 

 番組では、ロープウエイなどの乗り心地を

よくするための直線方向にスムーズな

ワイヤーロープを紹介していました。

 

 中村さんや、オヤイデさん、三州電線

さんからの特許出願はありませんでした

が、東京製綱さんはさすが一部上場、

特許出願は906件もヒットしました。

 

 内訳を見てみると、ロープ関係が最も

多く、次に建造物、運輸、水工・基礎、

成形、巻き上げ装置と続いていました。

 

 ということで、東京製綱さんは、大物

ワイヤーロープでしたが、最後に取り

上げられていたのは、豊通マテリアル

株式会社さんの「ゴムメタル」という

ものでした。

 

 普通、金属は、曲げると曲がって

しまいますが、このゴムメタルという

のはゴムのように元に戻る金属だ

そうで、応用製品としては、ゴルフ

クラブシャフト、ラケット、メガネの

フレームや歯の矯正などに使われて

いるそうで、今後人工骨などへの

用途も期待されているそうです。

 

 家人の話では、歯の矯正用の

ステンレスワイヤーは、歯の矯正の

いろんな段階で取り換える必要が

あるんだそうで、「いいね」と言って

いました。

 

 豊通マテリアル株式会社さんは

トヨタグループに属するそうです。

 

http://www.toyotsumaterial.co.jp/

 

 調べると、「ゴムメタル」という

金属の呼び方があるのではなくて、

「ゴムメタル」は、豊通マテリアルさん

登録商標4458751というものでした。

(そのほかにも、ガムメタルやGUMMETAL

など計6件登録されています)

 

 ゴムメタルの説明資料は以下となり

ます。

 

http://www.toyotsumaterial.co.jp/pdf_files/gummetal/gummetal.pdf

 

 それでは、特許はどうなっている

のでしょう?

 

 HPを見ると、株式会社豊田中央

研究所が開発したチタン合金だと出て

いますので、早速IPDLで調べてみま

しょう。

 

 そうすると、特許出願2002-575432、

優先権主張2001-088914のPCT出願で、

特許4123937「高強度チタン合金および

その製造方法」というのが、チタン、

タンタル、ニオブ、バナジウムなどを

使って冷間加工を施していますので、

商標出願のほうがちょっとだけ早い

ですが、時期的に、きっとこれですね。

 

 さらに低ヤング率(若いんで回復

が早いんですね。 ・・・ちょっと違う

ような?)、高弾性変形、高強度が得ら

れたとなっていますので、これでしょう。

 

(維持年金を払わずに、平成25年の5月に

権利消滅となっていますので、特許を

回避できる同じような製品が出てきている

のかもしれません)

 

 メガネの「つる」やフレームを捻じ曲げ

ても、元に戻る、というテレビコマーシャルも

流れていますので、きっとこのような素材で

作られているんでしょう。

 

 ところで、「ゴムメタル」というのは商標

登録されているのに、大々的にこのブログの

標題にしておいて大丈夫なんでしょうか?

 

 実は、商標を登録するのには、指定商品や

指定役務(サービスですね)を記載する必要が

あるのですが、この指定商品等と異なる商品等

(または類似しない商品等)に用いるので

あれば怒られないんです。

 

 ということで、ゴムメタルの指定商品等は以下

となり、ブログは関係ないので、怒られないん

です。

 

f:id:oukajinsugawa:20150119185454j:plain

 

 ということで、それではまた。