知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

カイコの繭から化粧品

 子供のころ福島の片田舎に住んでいま

したが、近くに蚕糸会館というのがありま

した。

 

 あの当時、3階建てか4階建ての鉄コン

クリート??作りで、近くの家に比べると

非常に立派な作りだったと思います。

 

 よく、中で遊んだ記憶がありますが、

仕事をしている人たちは何の仕事をして

いたんでしょうね。

 

 子供だったので、「なんか仕事をして

いるな」ぐらいしか思いませんでしたが、

カイコを飼って絹糸を取りだす産業が

盛んだったのでしょうか?

 

 田舎に今でもあるのかなと思って調べて

みましたが、現在はなくなっているよう

でした。

 

 田舎のカイコ産業が衰退してしまったんで

しょうか?

 

 ということで、蚕糸会館というのを

調べていたら、昭和の大合併の新聞記事

出ていました。

 

 インターネット時代というのはすごいもん

ですね。

 

 昭和30年の記事も出てくるわけですから。

 

 驚くのは、その当時でも、横書きはまだ

右から左に書いていたということと、まだ

古い漢字が使われていたことです。

 

 現在の漢字になったのはいつ頃なので

しょう?

 

 昭和30年ごろというのは、新制中学の

設置管理や行政事務の能率化のために

町村合併促進法というので大合併が

おこなわれたそうで、市町村数が3分の1

程度に減少したそうです。

 

 さかのぼると、明治の大合併というのも

あったそうで、明治21年の町村合併標準

提示というものにより、町村数は約5分の

1になったとのことですが。

(すいません、したり顔?で書いていますが、

両方とも生まれていないので聞き書きです)

 

 私がすでに生まれている平成の大合併

平成11年に基礎自治体の行財政基盤確立

のために全国的に市町村合併が推進され、

市町村数が2分の1程度まで減少しま

したが、成功したとか大失敗だったとか

意見が分かれているようです。

 

 ということで、このブログは「市町村

大合併に物申す!!」という、だいそれた

ブログではないので、カイコの話に戻り

ましょう。

 

 この前、クモの糸の話をしましたが、

カイコにバイオ技術を生かすという研究も

盛んなんだそうです。

 


蜘蛛の糸とスパイバー - 知財アナリストのひとりごと

 

 どんなことをやっているかというと、

クモの糸のたんぱく質を作る遺伝子を

カイコに組み込みその頑丈な糸を利用

する研究などもおこなわれています。

 

 つくばに、「農業生物資源研究所」と

いう独立行政法人があるのですが、この

クモ糸遺伝子組み込みカイコを用いて、

高強度で伸縮性に富む「クモ糸シルク」を

生産することに成功しているそうです。

 

 この農業生物研では、クラゲやサンゴの

発光遺伝子をカイコに組み込み、光る糸も

作るということもできるそうです。

 

 光る糸で作ったドレスなど売り出したら、

ものすごい売れ行きなのではないでしょうか。

 

 IPDLでどんな特許出願になっているかを

調べると、カイコ関係でも50件以上のヒット

数で、直近では、特開2014-221011「細胞

培養用支持体の製造方法、細胞培養用支持

体および細胞培養方法」や、特開2014-

097056「カイコ幼虫中部絹糸腺抽出液を

用いた無細胞タンパク質合成方法」などが

出てきます。

 

 さらにクモなど昆虫を使ったバイオ技術は

14件、クラゲ関係は9件と、遺伝子操作や、

以前に書いた虫に学ぶというのも大はやり

ですね。

 


国会答弁、玉虫色!!! - 知財アナリストのひとりごと

 

 話は変わって、免疫生物研究所という

ところがあります。

 

 名前を見ると国の独立機関のようですが、

以下のように、実は株式会社で、群馬県

本社があり、資本金18億円強、従業員数

41名の会社です。

 

http://www.ibl-japan.co.jp/jp/company/index2.htm

 

 この会社では何をしているかというと、

同じように、遺伝子組み換えカイコを用い、

化粧品を製品化しているんです。

(メインは抗体作製や、研究用試薬、医薬

関連事業のようですが)

 

 製品化しているといっても、最近始まった

ばかりで、子会社を設立しています。

 

http://www.neosilk.jp/

 

http://www.neosilk.jp/abouts/

 

 ここの化粧品の売りは、アレルギー反応を

起こしにくいヒト型コラーゲンを使って

いることだそうです。

(ホームページでそのように言っているだけで、

私のほうでは何の保証も致しませんが)

 

 製品名はネオシルク化粧品と言うんだ

そうですが、化粧水、美容液、クリーム、

洗願剤などがあるようです。

 

 雑誌や新聞記事によると、ヒト型コラーゲン

市場は160億円程度だそうで、ますます

カイコが持てはやされそうです?

 

 ということで、IPDLで「株式会社免疫生物

研究所」さんを検索してみると、一番多いのが

免疫分析;生物、次は突然変異または遺伝子、

抗体、さらには生物学的材料、癌関係などが

続いています。

 

 最新のカイコ関係出願公開は特開2014-

012024で、発明の名称が、まさに、「カイコを

用いた糖類構造に特徴を有する糖蛋白質

製造方法」でした。

 

 ということで、それではまた。