知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

自販機エロエロ

 すんません、興味を持って覗いて

いただいた方には申し訳ないですが、

そんなエロエロな話ではありません。

 

 この前、テレビ番組で、「外国人が日本に

来てびっくり(感動する)物はなーんだ」と

いうのをやっていました。

 

 ロシア人が日本に来てびっくりするのは、

自動販売機がどこにでもある、ということ

なんだそうです。

 

 日本に住んでいると当たり前のような

気がしてしまいますが、中国などの

アジアに行くと、会社の中にはさすがに

自動販売機がありましたが、街中には

それほどなかったような気がします。

 

 最近では、大阪弁で「毎度おおきに」

とか(関西アクセントで読んでください)

言う自販機もありますし、画面が液晶に

なっていて、おせっかいにも「あなたには

これがおすすめ」などと飲料をすすめて

くるものもありますね。

 

 よくテレビ番組で取り上げられるのは、

おでんの自販機、田舎のほうでは、生卵

野菜、果てはお弁当などの自販機ですね。

 

 暗ーい夜道にひときわ明るくぽつんと

立っているのはエロ本自販機で、皆さん

お世話になっているのでしょう。

(「バカゆーなよなー、お前だけだろー」

という声は、シカトいたしましょう)

 

 最近では、災害時にフリーで飲み物を

提供してくれる自販機も登場している

そうで、災害時には是非この恩恵を受け

たいものです。

 

 ということで、この自動販売機について

書かれた大力作レポートが国立科学

博物館産業技術史資料情報センター

から出ており、ちょっと覗いてみることに

致しましょう。

 

 レポートによると、2006年末に自販機は

427万台だそうで、販売金額は7兆円だ

そうですね。 

(このほかに、自動サービス機

というのが124万台あるそうですが)

 

 このうち266万台が飲料自販機だそうで、

このレポートは、この飲料用の自販機に

ついて書かれています。

 

 自販機の歴史は紀元前215年だそうで、

硬貨を使い聖水を販売する装置が使われて

いたそうで、これはどこかで読んだ気が

します。

 

 話は違いますが、自販機メーカーさんでは、

営業の人が毎日毎日そこら中を歩き回り、

自販機を置いてくれそうなところを探して

いるんだそうですね。

 

 大変な仕事です・・・・。

 

 レポートによると、一般社団法人日本自動

販売機工業会というのがあるそうで、レポート

では2006年までしか載っていませんでした

ので、最新版を覗いてみると、2013年末で

飲料自販機259万台、食品自販機、自動

サービス機などいろいろあって、全部で

509万台だそうで、2006年より減少して

いますね。

 

 売り上げのほうも5兆2千億円強で、

こちらも減少傾向です。

 

 下記の詳細によると、喫煙人口の減少、

コンビニとの競合などで売上を落としている

と書かれていますが、2008年から極端に

減少していますので、リーマンショック

影響もあるのかもしれません。

 

http://www.jvma.or.jp/information/fukyu2013.pdf

 

 レポートに戻ると、大力作レポートですので、

「自動販売機ガイドブック'76」などから引用

したむかーし昔の自販機も載っており、

おもしろく読むことができます。

(レポートは、WEBで「飲料自動販売機技術

発展の系統化調査」と打ち込むと出てきます)

 

 「自販機の構造」というところを見てみると、

商品展示・接客機構があるそうで、うーん

これがないと始まんないですね。

 

 次が「金銭処理機構」があって、これが重要な

ところでしょう。

 

 完全にコインを判別する必要があるし、ニセ

コインなどは絶対受け付けないようにする必要

がありますしね。

(自販機さん、頭が良すぎて、結構、「ダメよ~ん、

ダメダメ」と受け付けないときがありますが)

 

 あとは、「商品貯蔵」や「筐体部」で、あったか

飲料と「オー冷てー」という飲料を一緒に収納

できるようにしなければならないので、結構

むずいもんでしょう。

 

 ということで、詳細はレポートを読んでいた

だいて現在の特許出願状況はどうなっている

のかを調べてみましょう。

(レポートは120ページ以上の大力作ですので

読んでいるうち寝てしまわないよう気を付けま

しょう)

 

 まず、いつものIPDLで、自動販売機、

IPC、と検索すると、A47F1/00というのと、

G06Q20/18というのがヒットするのですが、

これで検索しても、よさげなものはヒット

してこないんです。

 

 このような場合、面倒なことが嫌いな

王花陣なので、まずは、IPDLの「発明の

名称」というところに「自動販売機」と

打ち込んでしまいます。

 

 そうすると、発明の名称に自動販売機と

いう言葉が入った特許出願がどどどーー

っと出てきますので、この中のよさそうな

もののIPCやFI記号を調べて、これで検索を

かけちゃうんですね。

 

 ちなみに、2005年からの公報発行日で

10年間を調べると、出願公開は2934件

でした。

 

 すんごいですねー。

 

 自動販売機というのは枯れた技術だと

思っていたのですが、現在進行形なの

ですね。

 

 もう枯れたもんだと思っていたら、

いまだに元気だったという富士山みたいな

もんです。

石黒耀さんの小説で「富士覚醒」という

面白い小説がありますね)

 

 ということで、結構いろいろ研究がされて

いるんです。

 

 どんなメーカーさんがいるのかというと、

富士電機リテイルシステムズ、富士電機

パナソニック松下電器サンデン

クボタ、日本たばこ産業、日本コンラックス、

グローリー、光波と続いていました。

(おんなじメーカーさんがありますが、検索

でヒットした名前をそのまま書いています)

 

 パナさんや、クボタさんなども製造して

るんですね。

(中身をよく見ていないので、電気部品関係

のみかもしれませんが)

 

 どんな研究が多いかというと、加熱や冷却、

冷凍筐体が一番多く、コイン判別、警報・表示

装置などが続きます。

 

 なお、IPC関係はG07が関係していますので、

興味がある方は見てください。

 

 ということで、そのうち自販機の詳細も

分析してみましょう。

 

 それではまた。