知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

二十世紀の予言 その2

  下の前回の続きです。


二十世紀の豫言 その1 - 知財アナリストのひとりごと

 

 今回、続きを書くのに図書館に行って、

報知新聞(現在、読売新聞ですね。 

スポーツ報知もありますが)の原文記事を

縮刷版で調べようとしたのですが、残念

ながら明治時代の縮刷版はありません

でした。

 

 代わりに、明治ニュース事典VI(毎日

コミュニケーション出版部)というのが

あったので原文を調べてみましたが、

やっぱり、米国の記事を流用したことは

書かれていませんでした。

 

 原文記事のコピーを載せると、毎日

コミュニケーション出版部さんに怒られて

しまいますので、皆様は、WEBなどを

見てください。

 

 ということで続きに行きましょう。

 

 馬車や鉄道は昔話となり、地上を走らなく

なって、車輪はゴム製となり、地下に潜って

しまいます。

 

 日本記事では上記だけなのですが、

US記事では詳しく書いてありますので、

US記事を見てみましょう。

 

 大都市では路面電車(street carsと

なっていますので、普通の車のことでは

ないと思います)はなくなって、スピードの

速い交通手段は地下に潜るか、頭上を

走るようになります。

(そうはなりませんでしたね)

 

 トンネルとか地下鉄は、送風換気が

いいのはもちろん、電気もついていて

明るくなっています。

 

 頭上には、動く歩道もあるんです。

 

 地下や頭上を走る自動車やトラックは、

タイヤが装備されているので、市内は

非常に静かなんだそうです。

(当時はクッション性のよいタイヤは

まだ発明されていませんでした)

 

 地上は何をする場所になっているん

でしょう?

 

 残念ながら、すべてが地下に潜らな

かったので、現在は騒音はなくなって

いませんね。

 

 話は違いますが、東野圭吾さんの

小説でパラドックス13というのが

ありますが、都心が掘り返されて、

そこら中地下鉄とかのトンネルに

なっているため、地震の影響で、

そこら中陥没し、歩くのもままなら

なくなるというくだりがありました。

 

 すべてをトンネルにしてしまっていたら、

同じような惨状になっていたのでは?

(関東に地震が来たら、今でもどうなるか

わかりませんが)

 

 それでは、次に、インフラはどうなって

いる予定だったのかを見てみましょう。

 

 日本記事では、薪や石炭は枯渇して、

電気に変わっているという一行だけなので、

詳しく書かれているUS記事を見てみま

しょう。

 

 石炭は、乏しくなっているものの、まだ

枯渇していないのですが、少ないのには

変わりないので、暖房や料理用には用い

られないんです。

 

 石炭は2種類に分けて予想しており、

無煙炭(炭化の進んだ石炭です)は

2050年から2100年頃まで大丈夫で、

瀝青炭(一般的な石炭ですね)は、

2200年から2300年まで大丈夫となって

います。

 

 深くまで掘らないといけないので、

値段が高くなって、水力発電のほうが

安くなるので、電気を使うようになるん

ですね。

 

 海岸のほうには、波や干満により

自動的に海水が満たされるでっかい

タンクが備えられており、水は常に

水車に流れ落ちるようになっており、

海のほうではこの海水で、内陸の水の

ほうは、当時ナイアガラの滝でおこ

なわれていたように発電がされるんです。

 

日本記事では、「日本は琵琶湖の水を

使い、米国はナイアガラの水を使う」と

なっています。

 

 この作られた電気が料理や電燈、燃料に

なるんです。

 

 当時の予想では原子力発電はありません

でしたので、チェルノブイリも東日本

大震災も関係なかったようです。

 

 冷暖房のほうも、エアコンが発明されて

いるようで、これは当たりですね。

 

 US記事のほうが詳しいので、これを見て

みると、さらに、蛇口をひねれば、温水、

冷水お手の物、お風呂の温度調節何のその、

となっており、こちらのほうも当たりでした。

 

 冷水、温水の供給はどうするのかというと、

中央プラントができており、ガスや電気と

同様に、ここから各家庭に供給されます。

 

 昔は、ウエアラブルや分散システムという

ものよりも、中央の「電子頭脳」や集中管理と

いう考え方が一般的でしたので、このような

予想となったのでしょう。

 

 火を燃やす必要がなくなったので、煙突は

なくなるそうですね。

 

 さらに、野菜は電気で育つんです。

 

 すばらしい!!

 

 まさに、今脚光をあびている植物工場です。

 

 さらに詳しく、US記事ではどうなっているか

というと、農場は、電気により、冬は夏になり、

夜は昼間になるんです。

 

 寒いときには土の中に電熱線を埋め込むんだ

そうですが、現在はエアコンでコントロールでき

ますので、電熱線は必要なさそうです。

 

 ガラス製の温室は一般的になり、夜は、

太陽光と同様の光や色調を変えた光で

成長を促進させます。

 

 おっしゃるとおり。

 

 ワトキンスさんは偉い!!(USの予言記事を

書いた人が、John Elfreth Watkinsさんです)

 

 次は、写真、電話、テレビです。

 

 写真は電送可能になっていますし、「天然色」に

なっているんです。

 

 100年後に中国で戦争がおこっても、

この写真はただちに電送され、1時間後

には号外となっています。

(これはUS記事のほうで、日本記事の

ほうは、数十年後のヨーロッパでの戦争に

変更されています)

 

 電話はどうなっているかというと、世界中

どこにいてもつながるようになっています。

 

 こちらのほうは、日本記事では場所の置き

替えがされていますので、両方見てみま

しょう。

 

 まず、日本記事ですが、東京にいる人が

ロンドンやニューヨークにいる友人と自由に

話せるんですね。

 

 さらに日本記事では、もうひとつ「伝声器」

というのでも分けており、「十里(40キロですね)

隔てていても男女の情話」ができるとなって

いますので、さぞかし、艶っぽい話でもする

のでしょう。

(表現が古いですが)

 

 US記事のほうでは、大西洋の真ん中にいる

旦那さんが、シカゴの自分家にいる奥様と

談話することができるんです。(て、いうか、

強制的に電話させられるのかもしれませんが)

 

 また、ニューヨークからブルックリン(すぐ近く

です)に電話するように、中国にも電話できる

んです。

 

 電話交換手も、自動の機械ができているので、

「Without the intervention of a “hello girl”」、

すなわち、交換手抜きで電話ができるように

なっています。

(昔は、女性のオペレーターが電話交換手

でしたので、このように呼ばれていました)

 

 現在、交換手抜きになってますねー!!

 

 次は、テレビです。

 

 日本記事では、「写真電話と」して、電話口に

対話者の肖像が出現する、という一行のみで、

テレビには言及していません。

 

 高柳健次郎さんが、初めてテレビ送信に

成功したのは、1926年の末でしたので、

テレビについては、日本では想像すら

できなかったのかもしれません。

 

 US記事のほうでは、二つの項目に分けて

書かれており、かなり詳しいですので、これを

見てみましょう。

 

 世界中が電気カメラとつながるので、何千

マイル離れていても、皆さん、世界中を

スクリーンを通して見ることができるんです。

(映画の技術の始まりは1890年代だそう

ですので、この延長として想像したので

しょう)

 

 ということで、長くなってしまったので、

さらに続くのですが、ここで、私の21世紀の

大予言を一つ致しましょう。

 

 このブログは明日から冬休みになって、

正月開けてから再開するでしょう。

 

 当たるも八卦、当たらぬも八卦

八卦良い残った!