知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

Global Brand Database

 この前、アビガンが日本で商標

登録がされているのを確かめて

みましたが、海外ではどうなって

いるのかを調べませんでした。

 


アビガン その2 富山化学工業(株)アビガン特許出願分析 - 知財アナリストのひとりごと

 

 海外での商標登録がどうなって

いるのかを調べるにはどうすれば

いいんでしょうね。

 

 ということで、今回は海外の商標

の検索方法を調べてみましょう。

 

 まず、最初に思いつくのは、海外の

特許庁のようなところ(商標庁ですが)に

アクセスして検索する方法が思い浮かび

ますが、残念ながら、すべての特許庁

商標を扱っているとは限りませんし、

いちいち一つ一つの国をあたるのは、

言語の問題もあるし、難しいですね。

 

 ・・・弱りましたね。

 

 ということで、これを解決してくれる

お助けマン君を探すと、いました、

いました。

 

 下のように、「Global Brand Database」君

というのがこっそり隠れていました。

 

http://www.wipo.int/reference/en/branddb/

 

 espacenet君は親切にも日本語版が

ありますが、こちらのほうは、残念ながら

英語だけです。

 

 まあ、Free of chargeですので、日本語は

あきらめて、どんなものかを調べて

みましょう。

 

 このデータベースは、知財関係の世界の

親玉??WIPO世界知的所有権機関)が

運営しています。

 

 何を調べられるかというと、ブランドという

ぐらいですから、商標出願、登録商標

もちろん、ほかで使用できない原産地名称

や国の紋章などが蓄積されています。

 

 調べられる商標庁は、US、オーストラリア、

カナダ、シンガポールニュージーランド

スイス、フィリピン、デンマークイスラエル

モロッコ、エジプト、カンボジアエストニア

UAEオマーンアルジェリアの16か国で

そのほかに国際商標出願なども調べられます。

 

 あれ?、ヨーロッパがほとんどないですね。

 

 日本もないし。

 

 日本の商標も一括して調べたいのにーー。

 

 ということで、日本のほうは、こっそりと、

来年1月からデータの提供が始まるんです。

(こっそりではないですね)

 

 データがどのようにアップデートされるの

かというと、アメリカなどは毎日更新され

ますが、国によっては1週間に1回とか、

2週間に1回、さらには半年に1回、

不定期なところ、とかいろいろです。

 

 それでは、どのように検索するのか

見ていきましょう。

 

 まずは、

Access the Global Brand Database」

というところをクリックしましょう。

 

 すると、検索画面が出てきます。

 

 下記は、アビガンの検索結果です。

 

f:id:oukajinsugawa:20141211121305j:plain

 

 どのように検索したかというと、まずは

試しに「Brand」というところの「Text」

というところに「アビガン」と打ち込んで

みます。

 

 そうすると、さすがに、「おめー、日本語の

登録なんかあるわけねーじゃねーか。

よく考えろよなー」というのがむなしく

返ってくることになります。

(日本語で海外に登録しているところも

あるかもしれませんが、中国とか台湾は

このデータベースでは調べられません)

 

 ということで、「アビガン」の英字綴りを

想像してやみくもに打ち込んでもいいん

ですが、王花陣は面倒なのがきらいなので、

「Brand」の横の「Names」というところを

クリックして、「Holder」という欄に"toyama

chemical"と打ち込んでみます。

 

( ””がなくても一つのフレーズとして検索

してくれますが、念のために入れています。

 

また、大文字、小文字もどちらでも大丈夫

ですよ)

 

 そうすると、以下のように出てきます。

(字が小さくなってしまうので、全部は

貼り付けていません)

 

f:id:oukajinsugawa:20141211121442j:plain

 

  ということで、「AVIGAN」という綴りが

わかりましたので、確認のために前の画面に

戻って、AVIGANと打ち込むと、一番最初の

図になります。

 

 見てみると、AVIGANという商標は、もう

2001年に登録されていたんですね。

(Sourceという欄に国コードが出ています)

 

 ということで、知財戦略を練るときには、

発明だけでなくブランド戦略も非常に重要

になってきますので、このデータベースを

大いに活用してブランド戦略を練って

いきまっしょい。

 

 このデータベースは、図のイメージで検索

できるイメージサーチというのもあったり、

ほかにも機能がありますが、そのうち機会が

あったら取り上げてみましょう。

 

 

 

 

2017年3月15日追記:

 現在では、日本の商標登録も調べることが

できるようになっており、日本語のインプット

も可能です。

 

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