知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

特許分類検索上級編 第4回  熊さん、ハっつあん、与太郎さん

 特許分類について、前回はIPC分類の概要に

ついて勉強しました。

 

http://oukajinsugawa.hatenadiary.jp/entry/2014/10/28/060000

 

 話がつながるように、1回目と2回目も

載せると次のようになります。

 

http://oukajinsugawa.hatenadiary.jp/entry/2014/10/20/060000

 

http://oukajinsugawa.hatenadiary.jp/entry/2014/10/02/060000

 

 ということで、今回は、少し詳しく見て

いきましょう。

 

 テキストでは、ハットを例にとって説明が

されていますので、説明のために、テキストから

ちょっとコピペさせていただきましょう。

(テキストとは、「国際特許分類、FI、Fタームの

概要とそれらを用いた先行技術調査(平成26

年度):独立行政法人工業所有権情報・研修館

のことです)

 

f:id:oukajinsugawa:20141001184157j:plain

 

 上記では、3/00というのは、ハット製造の

ための装置となっており、その次の3/02などは

「・」がついていますので、3/00をさらに分類

したものとなります。

 

 ただし、このさらに分類された下位分類に

含まれないようなものや、下位の分類よりも

範囲が広すぎて、下位の分類には入らない

ようなものも出てきます。

 

 このような場合には、仕方がないので、3/00に

分類されることになります。

 

 上の例では、たとえば、紳士用ハットの仕立台

などはありませんので、「しょうがねーなー、

3/00にでも入れとくか」ということになり

ますし、「婦人用なのに、紳士用(紳士では

なくて、庶民の代表、熊さん、ハっつあん、

与太郎さんでもよいですが)にも使えんの?」

なども、3/00に入れられることになります。

 

(「マツコデラックスさんや、クリス松村さん

用はどうなんだよー」というのは置いておきま

しょう。)

 

 それでは、次はインデキシングコードについて

です。

 

 それって、何? 電気のコードなの?と、いう

ところですが、これだけ聞いてもさっぱりわかり

ません。

 

 仕方がないので、テキストを読むことにしま

しょう。

 

 一番最初に、「インデキシングコードはIPC

第4版で導入されたものである」、と書かれて

います。

 

 「そんな難しいもの導入すんなよな」、という

ところですが、わざと意地悪しているのでは

なさそうです。

 

 見てみると、「ある範囲の分類項目に含まれる

技術主題についての情報の要素を特定するもの

である」と書いてあるのですが、さらに何の

こっちゃ?というところです。

 

 仕方がないのでさらに読み進めましょう。

 

 インデキシングコードは、分類記号に含まれる

技術情報に加えて、例えば次に示すように技術

情報の要素を特定する機能を持つそうで、

 

・組成物の付加的成分を示す

・化合物を構成する基を示す

・方法の要素を特定する

 

 なんだそうです。

 

 つまりはどういうことかというと、ある分類に

ついて、さらに、組成物とか、化合物とか、方法

要素などで細かくして、対象分類を補完するもの

です。(ちょっと書き方が乱暴な気もしますが、

まあ、こんなもんです)

 

 なんかわかったような、わからないような?

ですが、まあわかったような気になって、どこに

このインデキシングコードが書いてあるのかと

いうと、実は実は、なのですが、インデキシング

コードの表記は分類記号とまったく同じなんですね。

 

 「えー、それじゃー、わかんねーじゃん」と

言っても後の祭りで、つまりは、分類記号その

ものを見ても分類記号か、インデキシングコード

かわかりません。

(わかるものもありますが)

 

 通常は、インデキシングコードは、101/00

から開始される番号となっているのですが、

残念ながら、例えば、C12R,B29Kなどは

全部がインデキシングコードとなっており、

したがってC12Rの1/00はインデキシング

コードですし、B29Kなどは、1/00から

711/14まで、すべて、インデキシングコードに

なっています。

 

 インデキシングコードは、関連する分類

記号と常に関連して使用されますので、

どの分類記号と関連しているかは、各インデ

キシング系列の前の「注」、タイトルまたは

見出しにより示されていますので注意して

読むようにしましょう。

(とはいっても、私はあまり意識せず検索

していますが。 

 

   ・・・だからダメなんですね)

 

 ということで、B29(なんか、爆撃機みたい

ですが)を見てみると以下のようになっています。

 

f:id:oukajinsugawa:20141001184255j:plain

 

 赤字は私がマーキングしたものです。

(〔4〕と書いてあるのは、第4版で取り

入れられたという意味です)

 

 どういうことかというと、プラスチック

成形を扱うサブクラスB29Cでは、インデキ

シングコードとしてB29K,B29Lを使用でき

ます。

 

 B29Cは成形手段の観点で展開されていますが

B29Kは成形材料、B29Lは成形物品の観点で

それぞれ展開されており、たとえば、B29Lは

常にB29Cとセットで用いられますので、

たとえば、B29LでIPC検索をかけると、常に

B29Cも付されています。

(親子どんぶり??  

 

  ・・・ちょっと違うような?)

 

 逆に、B29Cが付されているから、B29Lが必ず

付されているわけではありません。

 

 言ってみれば、懐中電灯には電池がつきもので、

電池には必ずしも懐中電灯がつきものではない?

・・・これまた意味が違うような??

 

 なお、IPC7版以前では表記方法が違って

いたのですが、IPC8版以降は、同じ表記法です)

 

 なんか、上級編っぽくなってきて、これが

理解できたら上級者に近づいてきているような

気がしてきました。

 

 ということで、長くなってしまいましたので、

このへんで。