知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

温泉湯煙発電

 温泉いいですね。

 

 特にこれからどんどん寒くなりますので、

寒い季節での温泉は格別です。

 

 私の住んでいる片田舎も、犬の散歩で

歩いていると、猿が出てきーの、ニホンジカ

と遭遇しーの、ハクビシンがいるのか知り

ませんが家の天井でごそごそ音がしーのと

かまびすしいのですが。

 

 畑には、電線が通っていて、「電気が通って

いますので触らないでください」などと書か

れているところもあります。

 

 クマもいるようですが、幸い、まだ遭遇した

ことはありません。

 

 公園の中も、「散歩途中で立ち止まらない

でください。ノビルが上がってきます」などと

立札が立っていて危ないのなんの。

 

 この前など犬の散歩をしていたら、草の中に

太い蛇がいて、うっかりそれを踏んでしまい、

「ぐにゅ」というなんか気持ちのいいものでは

ない感触でした。

(へびさんも、踏まれて、驚いたでしょうが)

 

 なんか、学校にも猿が出没するそうで、

学校も大変らしいですね。

 

(しばらく前に、山梨県で、サルが保育園の

園庭に現れ、遊んでいた園児に襲い掛かったと

いう記事が出ていましたが、私のところもこれに

近いものがあります)

 

 ということで、山ですので、御多分に漏れず

すぐ近くに温泉があり、私もたまに利用するの

ですが、遠くからの観光客で賑わっているよう

です。

 

 今日は温泉の話か?というところですが、

そーなんです、温泉の話なんです。

 

 しかし、残念ながら温泉の薬効の話では

なくて、「温泉の湯けむりで発電」という話です。

 

 この前、NHKの「サラメシ」というテレビ

番組で、株式会社ターボブレードという

会社が紹介されていました。

(この番組は、湯煙発電に焦点を当てる番組

ではないので、お題は「エンジニアの林さんに

昼が来た」というものでしたが。(林さんと

いうのはこの会社の代表取締役のかたです))

 

 この会社は下記のように大分にある会社です。

  

http://www.turboblade.jp/

 

 この会社は、祖父の代から水力発電

タービンの設計に携わり、その要である羽の

設計能力を生かし、水力発電のタービン、

F1エンジン冷却ポンプ、ノートパソコン冷却

ファン、海洋掘削用ターボドリルの設計などを

おこなっているそうです。 

 

 社長さんのほかは、全員20歳代で女性ばかりと

いうことで、社長さん、何か肩身が狭そうでし

たね??。

 

 番組では別府市内にある竹瓦温泉という

ところを取材していて、別府市内にある温泉の

入浴料は、「なんと100円」とか、放送して

いました。(安いですね)

 

 なぜこの会社が取り上げられていたかと

いうと、この温泉の湯けむりで発電をすると

いう新たなビジネスを計画しているからでした。

 

 湯煙発電は、県からの依頼で2年ほど前

から開発をおこなっており実用化に成功した

とのことでした。  

 

 これは世界初だそうで、安倍総理御一行様

も視察に訪れていました。

(現在は、解散総選挙で大変なようですが) 

 

 次世代エネルギー開発の新たな取り組み

として期待されているんだそうですね。

 

 林さんは、「技術はオープンにしているが

設計が難しいため、なかなか真似することが

できないんです」と言っていました。

 

 技術は公開しても、ノウハウがあって、ほかの

会社がまねできないというのは理想的ですね。

 

 今後の電力会社への供給も決まり、ニュー

ジーランドやモンゴルから大臣が視察に来て

いるそうで、うまくいって欲しいものです。

 

 ということで、この技術がどんなものなのか

見てみましょう。

 

 まず「株式会社ターボブレード」で検索を

かけると、公開が2013年と2014年の3件

でした。

 

 祖父の代から設計をしているとのことです

ので、試しに「林正基」さんで検索をかけると

いろいろ出てきて、同姓同名の発明者も

いるため、住所から関係なさそうな発明者

を除くと9件でした。

 

 社長名出願人、会社名が「林エンジニア

リング株式会社」、「有限会社ターボブレード」

などは最初の検索ではヒットしていませんでした

ので、企業名だけで検索をかけるというのは、

結構むずかしいもんです。

 

 それでは、その中のどれが湯煙発電なのかを

見てみると、ありました、ありました。

 

 特開2013-133705「熱水蒸気発電装置」という

のがそうですね。

 

 これは出願が2011年12月23日で、審査

請求はまだされていませんでした。

 

 もうそろそろ3年になりますので、これから

出願審査請求をするのでしょうか?

(IPDLのデータ更新がされていないだけ

なのかもしれませんが)

 

 まず、課題を見てみると、「低コストで温泉

権利者の権利処理を容易としつつ、簡便な

構造で発電を実現できる熱水上記発電装置

を提供」することだそうです。

 

 これを実現するために、地中から得られた

熱水を、気体と液体とに分離することなく、

熱水と水蒸気の混合熱水によりタービンを

回転させことにより、熱水の気液分離を必要

としないので、構成を簡略化できるとなって

います。

 

 図には、いろいろ示されており、おもしろい

構成なのですが、残念ながら今日は長く

なってしまいましたので、興味があるかたは

公開公報を見てください。

 

 それではまた。