知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析ゴルフ用具編 25 おっしゃるとおり!!

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 2009年からの日本の出願がどうなって

いるのかを復習すると、上のマップのように

なっていました。

 

 そこで、まずは、中実ボールのメイングループ

A63B37の内訳を見てみましょう。

 

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 中心のコア関係が多いようです。

 

 やはり飛びを追及するとコアに行き着くので

しょうかね。

 

 カバー関係や表面ディンプル関係も、止まる

ボールや、飛びの安定性に影響するので

しょう。

 

 この前特許分類を調べましたが、A63B37/

00に限っては、IPCよりもFI分類のほうが

細かく分類されていました。

 

 このため、日本でのマクロ的な分析には、

FIで見て行ったほうがよさそうで、A63B37/

00をさらにFIで分析してみましょう。

(ボールのほうは、残念ながら、Fタームでの

分類がされていません)

 

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 P、R、Sはゴルフボールだけに分類できない

もののようです。

 

 Fのディンプルは、Eの表面模様の下の分類、

E、及び、Lの材料に特徴があるものというのは、

Cゴルフボールの下位分類です。

 

 それでは、詳細を見ていくこととして、このために

筆頭FIでの分析をしてみましょう。

 

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 筆頭FIはその特許出願のメインの技術に

付されており、1文献に1つとなります。

(その他のFIは、その他の書かれている技術

に付与されますので、複数あることがあり、

FIの数は、通常、出願数よりも多くなります)

 

 まず、数が少ない「積層」というものから

見て行きましょう。

 

 この二つは、ナイキさんと、テイラーメイド

さんから出されており、「薄いマントル層を

有するソリッドゴルフボール」と「柔らかい

感触のゴルフボール」だそうです。

 

 まず、特開2011-115584です。

 

 「従来の2層性ゴルフボールの欠点は、

きわめて硬く、クラブで打つと、硬い「感触」を

与えること」・・・、と、書かれています。

 

 おっしゃるとおり!!

 

 糸巻バラタ、復活させてください!!

 

 ・・・て、ちょっと違うような?

 

 課題は、「硬いので飛距離は伸びるが、

グリーンへのアプローチショットでは

コントロールが難しいので、これを改善

すること」。

 

 おっしゃるとおり!!

 

 糸巻バラタに行くんですか??

  (しつこいですね)

 

 解決手段としては、ソリッド複数層の

コア、マントル、カバーのうち、カバー及び

マントル層は熱加熱性ポリウレタン材料に

し、カバー層は、マントル層よりも柔らかく

する。(まあ、ソフトタッチになりますね)

 

 「これにより、スピン及び耐久性に関し、

最適厚を与えられる」となっています。

 

 「さらには、マントル層は、カバー層及びボール

全体の体積に比べて比較的薄い」となっています

ので、ソフトタッチになるのでしょう。

 

 代表的な実施態様である図を見てみると、

中心コアは2重になっていて、これに薄い

マントル層と、それより厚いカバー層の

4ピース構造になっていました。

 

 2ピースボールが出たと思ったら、最近は

4ピースとか5ピースなどもあり、多層ボール

おおはやりですね。

 

 この出願は2度目の拒絶理由が通知され、

まだ審査結果が出ていませんでした。