知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析ゴルフ用具編 23-2 飛距離を延ばそう2

 ゴルフ用具分析の前回の続きで、

飛距離を延ばすための、シャフトの

研究です。

 

 まず、ヘッドスピードを上げるとともに、

ヘッド軌道をアッパー軌道にして飛距離を

延ばすというものがあります。

(まあ、このようにすれば距離は延びるのは

確かでしょう)

 

 この方法として、2つの曲げ剛性の極大点を

設け、シャフト長に沿って曲げ剛性を変える

のだそうです。

 

 これで飛ぶようになるのでしょうか?

 

 我々アマチュアにとってどうなんでしょう?

 

 ということで、次は、打感フィーリングに優れ

打ち出し角が充分で、打球の方向性を向上

させているにもかかわらず、ボールの飛距離も

落ちないし、逆に延びるといういいことずくめ?

のものです。

 

 この方法としては、

 

1 強化繊維樹脂層をシャフト長手方向でいろ

  いろ変化させる

 

2 樹脂層の重ね合わせや重さを変えたり、

  上記と同じように曲げ剛性値をシャフト長手

  方向で変えたりする。 特にシャフトに強化

  繊維樹脂を使っている場合には、この繊維

  樹脂を長手方向、円周方向に何種類も

  変えたりするのが、コツ?

 

3 アイアンクラブ用シャフトセットで、番手を

  変えても良好なフィーリングで飛距離、

  方向性とも満足させるというもの。 

   これは、番手が大きくなるとシャフト長は

  短くなるが、このシャフトの曲げ剛性のピーク

値を、クラブごとに最適化し、フィーリングを

同じにするのだそうです。

 

 シャフト関係は、曲げ剛性ピーク値を

どこに置くかが重要なんですね。

 

 それでは、ヘッド部をどのようにすれば

ボールが飛ぶようになるのでしょう。

 

 まあ、反発係数が大きくなるようにフェース

部を作る必要があるのでしょうが、そんな

簡単なものでもないでしょうから、詳細を見て

みましょう。

 

 アイアン関係は、ポケットキャビティー

(オープンキャビティー)関係でどのように

するかというのが課題のようで、フェース部

裏のキャビティー部の設計により飛距離を

延ばすという研究がされているようです。

 

 といっても、私にとってはどのクラブで

打ってもあんまり変わらないような気がするの

ですが、私だけ?

(「おまえはへただからわかんないんだ」という

声が聞こえそうですね。 すいません、はい)

 

 次はウッドヘッド部です。

 

 これは、

 

1 クラウン面(ウッドヘッドの上部面です)を

  変えてロフト角を増大させ、バックスピン

 量を低減して飛距離延長を図るもの、フェース

 面スィートスポットが拡大するようにフェース

 裏面を設計するもの

 

2 打点と最大たわみ点を近接させることにより

飛距離を向上させるもの(ウッド、アイアン両方

だそうです)

 

 があります。

 

 さらには、

 

3 スィートスポットを外したり、打点がばらつい

  ても飛距離の減少を低減する

 

というものが一番多いようです。

 

 まあ、アマチュアにとって、スィートスポットを

外して打っているほうが多いでしょうからね。

 

 これは、フェース部肉厚変化や、剛性変化、

反発係数の最適設計、たわみのバランス変化

などなどをおこなうようで、これらを見てみると、

ヘッド部関係の研究は、材料研究というよりも、

最適設計研究と言っていいのではないかと

思います。