知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編6 ニューエントリー・リタイアマップ

 グーグルが、著作権侵害対策で、

侵害サイトの検索ランクを下げる

ようにする、という発表がされていま

したね。

 

 これは、2012年にも実施された

そうですが、著作権侵害で悪名の

高いサイトに対して、さらに影響を

与えることができる方法で検索

ランクを下げるように改善を加えた

そうです。

 

 私のサイトも検索ランクを下げられ

ないように致しましょう。

 

 ていうか、日本ではヤホッている人の

ほうが断然多いのでは?と思うのですが、

やほーのほうはどうなんでしょう。

 

 ということで、話を戻して、焼酎メーカー

さん分析その4です。

 

 まずは、大きく売り上げを伸ばしている

霧島酒造さんから見て行きましょう。

 

 出願数がそれほど多くありませんので、

発明の名称で内容を見てみましょう。

 

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 全出願はこれだけです。

 

 これによると、霧島酒造さんでの研究開発は、

ほぼ焼酎関係であり、焼酎製造にまつわる

他への転換研究(サツマイモ発電のような)

もしていたのでしょうが、出願はされていない

ですね。

 

 サツマイモ発電では、発電装置は買って

来たもので、その方法を開発していたで

しょうから、まあ、出願しなくても大丈夫

なのでしょう。

 

 しかし、焼酎関係だけに絞って見てみると、

残念ながら出願は散発的であり、出願数の

点からは強固な特許ポートフォリオを築いて

いるとはいえないので知財を戦略的には考えて

いないのでしょう。。

 

 それでは、知財戦略で何もしていないのか

ということですが、佐原雅史さん著の「知財戦略の

教科書:PHPビジネス新書」によれば、「知財

戦略とは、人間の創造的活動により生み出され

るもの、事業活動に有用な技術上または営業上

の情報をいかに活用し、売り上げに結び付ける

かの戦略である」とされています。

 

 さらに、上記書籍によれば、知財戦略とは

「知識資料をお金に換えること」としており、

商社などに代表される「販売先資料型」、

メーカーなどの「アイデア資料型」、飲食店

などサービス業の「マニュアル資料型」に

わかれるそうです。

(これは、以前に知財戦略のところで書いたと

思います)

 

 規模が小さい企業にとっては、3つの型に

どのように資源を配分するかが重要であり、

売り上げを伸ばした霧島酒造さんにおいては、

販売代理店や、顧客といった販売先資料型を

充実させ、さらに、ブランド戦略により大きく

売り上げを伸ばしたのだと思います。

 

 霧島酒造さんの話によれば、ラベル戦略を

徹底したそうですね。

 

次の売上目標1000億円は「通過」点:日経ビジネスオンライン

 

 ただし、何度も書いていますが、食品、飲料

業界でも、機能性食品の例のように、ひとたび

基本特許を取られてしまうと、同じような商品の

製造が困難となってしまうので、今後は食品

飲料業界さんでも知的財産権を含めた知財

戦略をよく検討する必要があるでしょう。

 

 尚、焼酎メーカーとは異なりますが、資本力

小さい企業ほど知財戦略を特によく検討すべき

で、知財が弱い企業は、下請け的に取引先の

要求を飲まざるを得なくなってしまいますので、

注意が必要ですね。

 

 次は、宝酒造さんです。

 

 下のマップはニューエントリー・

リタイアマップです。

 

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 縦軸はFIによる技術分類で、横軸が出願年

です。

 

 宝酒造さんは、アルコール飲料にまつわる

医薬品関係出願も見られるものの、やはり

散発的なようです。

 

 バイオ関係を分社化しましたので、アルコール

飲料及び関連する飲料関係に注力している

のでしょう。