知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編6 時系列分析とFI分析

 焼酎分析その3です。

 

 それでは、年度ごとの出願数はどのように

なっているのでしょう。

 

 マクロ的に見てみると以下となります。

 

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 宝酒造さんは、早くから特許出願をおこ

なっており、古くから知的財産戦略をおこ

なっていたことがわかります。

 

 尚、宝酒造さんは2002年に持ち株会社

宝HDさんの子会社として、バイオ関係会社

と分かれたため、2000年以前に比べ出願数

は減少しており、食品、飲料、アルコール

関係にほぼ専念するようになっています。

 

 合同酒精さんも古くから定期的に出願をおこ

なっており、知的財産権獲得に力を入れて

いたのが伺えますね。

 

 三和酒類さん、雲海酒造さん、薩摩酒造さん

も1980年代から定期的に特許出願がされて

いましたが件数的には多くなく、戦略的な

出願はなされていなかったのでしょう。

 

 上のマップは時系列で調べてみましたが、

下のマップは、直近2000年以降でのトータルの

出願件数に着目したマップです。

 

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 これを、先ほどの時系列マップと比較して

見てみると、三和酒類さんが合同酒精さん

を逆転しており、2000年以降は、研究開発

により力を入れ始めたのではないかと

思います。

 

 それでは、研究分野は、メーカーさん別で

どのようになっているのでしょう。

 

 下のマップは、2000年以降で、FI分類で

調べたものです。

(煩雑になるのでFI記号は省略しています)

 

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 三和酒類さんは、バイオ事業にも進出

しているので、研究開発成果としてバイオ

関係の出願が多いですね。

 

 合同酒精さんも酵素医薬品事業を行っている

ので、これらに関する成果が出ているようです。

 

 雲海酒造さん、薩摩酒造さんを含め、出願数と

売り上げ増減の相関はないようですね。

 

 ということは、焼酎メーカーさんは、知財

売上を伸ばす戦略ではなくて、他の方法で

売上を伸ばす戦略のようです。

 

 ということで、次はメーカーさんごとに調べて

みましょう。

 

 次回に続く。