知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編6 サツマイモ発電

 焼酎メーカーの霧島酒造さんが、発電した

電気を売電するという記事が出ていました。

 

サツマイモ発電事業開始について | 霧島酒造株式会社

 

 焼酎かすを利用するようで、焼酎メーカーさんも

いろいろな分野で仕事を広げているんですね。

 

 どのようにするかというと、焼酎を作る過程で

出る焼酎かすや芋くずを発酵させ、発生した

メタンなどのバイオガスを発電機に送り込み

発電する仕組みだそうです。

 

 霧島酒造さんは、2006年に焼酎かす400トンを

バイオガス化するプラントを建設し、2011年に

増設、国内最大級のプラントで焼酎かすの

リサイクルに取り組んでいるそうです。

 

 バイオガス発電装置はオーストリア製だ

そうで、日本製でないのがちょっと残念ですが。

 

 調べると、この特許出願はありません

でしたが、実はこの焼酎メーカーさんを去年の

11月に趣味で分析していました。

 

 ということで、その分析を見ながら焼酎メーカー

さんがどんなことをしているのか見てみましょう。

(今回は、焼酎メーカーさんシリーズとなります)

 

 今回取り上げる焼酎業界は、バイオ、医薬

分野でも積極的な研究開発がおこなわれており、

成功事例も見受けられます。

 

 さらには、長年に渡って売上高一位を保持

していた焼酎専業メーカーさんが霧島酒造さんに

1位の座を明け渡しましたので、昨年話題に

なりました。

 

 それでは、ちょっと、焼酎業界の構造を見て

みましょう。

 

 ストレスを解消してくれるアルコールは、

多くの人々にとって身近な存在ですよね。

(私だけ?ということはないと思いますが)

 

 比較的大規模な企業が多い、ビールや

ウイスキー業界というのは、専門の知財

分析屋さんでも結構分析がされているのでは?

と思います。

 

 しかし、中・小規模の企業が多い日本酒、

焼酎業界の知財分析はほとんどされていない

のではないでしょうか。

 (この前私が日本酒業界を分析して

みましたが)

 

 この前も書きましたが、アルコール業界を俯瞰

してみると、昨今は、少子高齢化、若者の

アルコール離れなようですね。

 

 この影響で、アルコール飲料全体の市場規模が

縮小しているようです。

 

 会社四季報業界地図や、日経業界地図、

帝国データバンクのパッとわかる業界地図

などを見ると、コマーシャルの影響で、緩や

かながら、ハイボール人気のウイスキーや、

ワイン系(カクテル類の低アルコール飲料含む)

は安定成長が続いているようです。

 

しかし、若者離れが続く日本酒や、一時期の

ブームを過ぎしまった焼酎共、売り上げが減少

しているようです。

 

 この中で、専業メーカーはどのように生き

残っていくかの戦略が重要ですね。 

 

  焼酎業界の主なメーカーの売上高は

帝国データバンクが2003年から発表

しています。

 

 このデータを基にして作成したのが下図の

売上高推移です。 2013年分はもう出ていますが、

2012年とほぼ同じでしたので2012年分までを

示しています。

 

2013年 焼酎メーカー売上高ランキング | 帝国データバンク[TDB]

 

 帝国データバンクでは、全売上高に対する

焼酎売上比率が50%以上であるメーカーを

専業メーカーとして集計しています。

 

 今回は、売上比率が50%未満でも焼酎売上高

が大きい2社(宝HD、オエノンHD)についても

どのような戦略を取っているのかを見るために

集計に組み入れてみました。

 

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 上図は、焼酎売上高上位50社での

トータル売上高推移です。

 

 尚、宝ホールディングスは、今後宝HDと、

オエノンホールディングスはオエノンHDと

記載します。

 

 また、帝国データバンク資料にデータが

ないものは各社HPから集計しました。

 

 健康志向、機能性というキーワードによる

焼酎ブームが2003年ごろから起こり、2008年、

2009年にはピークを迎えましたが、ハイボール

などの宣伝効果により、一時期に比べ焼酎の

売り上げが減少傾向ですね。 

 

 私も焼酎を飲みますので、焼酎メーカー

さん、頑張ってください!!

 

 まあ、それは置いておいて、眼を転じて、

各社の売り上げの推移をみると以下のように

なります。

 

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 上の図は、すべてを一つの図にすると、よく

わからない図になってしまいますので、二つの

図に分けて、左と右の図の売上高軸の数値は

変えています。

 

 尚、 宝酒造さんと、オエノンHDさんは、

焼酎のみの売上高で、その他18社は全売上高、

決算期が異なる場合は外挿しています。

 

 ここで、三和酒類さんは、焼酎専業業界

では長年首位だったのですが、残念ながら霧島

酒造さんに首位を明け渡してしまいまいした。

 

 さらに、以下の図は、伸び率の図です。

 

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 図では、霧島酒造さんの伸び率は断トツ

ですね。 

 

 上記は2006年と2012年を比較していますが、

霧島酒造さんをさらに2004年と比較すると2.92倍と

約三倍の伸び率となり、どのような戦略を

取ったのかが気になるところです。 

 

 これは、後ほど明らかにしていきましょう。

 

 ということで、こちらのほうも、そのうち、

ほとぼりが過ぎたころ?、続きがありますので、

油断しないでください。

(別に油断はしてないでしょうが)