知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

オーッス

 端やん、知ってます?

 

 ばたやん。

 

 惜しくも昨年お亡くなりになりましたが、

「オーッス」の掛け声で威勢のよい方でした。

 

 電気ギター(エレキギターというとベンチャーズ

を連想しますので、電気ギターと書きますが)を

爪弾きながら、歌を歌っていましたね。

 

 今日は端やんの話なのか?というところですが、

このブログは、懐メロブログではありませんので、

ちょっと違って、ばたやんつながりの話です。

 

 この前、女子高生が特許登録という話をしましたが、

今度は、岩手日日新聞に、中学1年生が実用新案

登録をした、ということで記事が出ていました。

 

http://www.iwanichi.co.jp/kitakami/item_40943.html

 

(そのほかにも岩手日報などにも載っていました。

また、「はてなブックマーク」にもすでに登録されて

います)

 

 読んでもらえばわかりますが、どんな内容かと

いうと、岩手の佐藤香佳さんという中学1年の生徒が、

北上市少年少女発明クラブで活動をしていて、自ら

発明・考案したバターカッターが実用新案登録を

受けたというものです。

 

 この前、少年少女発明クラブというのもあるという

話を書きましたが、結構全国にこのようなクラブが

あるんでしょうか?

 

 お母さんはパン作りが趣味で、お母さんの、「バターを

きっちり5グラムに切れるカッターが欲しい」、という要望に

応えて、工夫を重ねて創作したそうです。

 

 「必要は発明の母」とよくいいますが、

 

 ぴったし、かんかん!! かんかんがくがくけんけん

ごうごう(ちょっと意味が違いますね)

 

 「必要なお母さん」の要望に応えて、発明をして

しまったのですね。

(実用新案なので、考案ですが)

 

 このかたのお父さんもクラブの指導員を務めて

いるそうで、家族一丸で登録を果たしたそうです。

 

 この前の女子高生のかたもそうでしたが、

家族一丸なんですね。

 

 ということで、登録内容を見てみましょう。

 

 登録実用新案公報は登録第3192492号で、

ページ数は5ページですので、見ることが

できるかたは見てください。

 

 まずは、出願日は今年の3月15日となって

いますが、登録公報の一番初めのページに、

「実用新案法11条において準用する特許法

30条2項の適用申請有り」、と書かれています。

 

 どういうことかというと、出願する前に、北上市

少年少女発明クラブのウエブサイトや、発明

くふう展などで公開したり、公開されてしまったり

してしまったんですね。

 

 通常はこのような場合、「新しくないよね!」と

怒られて(別に怒られませんが)しまうのですが、

「おねげーしますだ」と頼み込むと、ある一定の

場合には、お許しが出るんです。

 

 このご要件として、外部へ公開後、半年(正確な表現で

なくてすみません)以内に出願すれば、オッケーと

なっていますので、公開が昨年9月18日でしたので、

半年過ぎる前の3月15日に滑り込みセーフと

なったわけです。

 

 さらに、得意のIPDLで調べると、要約不備職権

訂正ともなっていました。

 

 特許法の64条3項や、実用新案法(特許法を

準用といいますが)では、「要約書の記載が、なんだか

なー」という場合には、「特許庁長官さんが自分で

勝手に書いちゃってもいいよー」と書かれています。

(そうは書かれていませんが)

 

 なぜそんなことが許されるのかというと、要約

(要約書)は権利範囲とはならず、調べ物をする

人の役に立つために書かれているだけに過ぎない

からです。

 

 ということで、きっと、要約書に不備があって、

長官さんが、「職権で書き換えちゃおー」とした

のだと思います。

(長官さんが書いているわけではなく、特許庁

ほかのかたが書いているのですが。長官さんが

一々書いていたら、体がいくつあっても足りま

せんね)

 

 それでは、登録内容を見てみましょう。

 

 URLの2番目の写真を見ながら説明したい

と思います。

(ちょっと不鮮明ですが)

 

 一番上の白いのは、お湯を入れても大丈夫な

プラスチック容器になっていて、ここにお湯を

入れるようになっています。

 

 この下に、プラスチック容器と接することができる

ように網目状のワイヤー(おもちを焼く網みたいな

ものをイメージしてください.。ただし、おもちを

焼く網は太くて、撚ってありますが、こちらの

ほうは、きっと細いものだと思います)があって、

容器と接することによりワイヤーがあったまります。

 

 下の黄色いのがバターで、ワイヤーがあった

まったところで、このワイヤーを下に降ろして

バターに接するようにすると、ワイヤー網の

自重と温度によって、ワイヤー部分だけ

下に降りていき、きれいにバターが切れて

いる、というものです。

(100円均一で買ってきたものだけで組み立てた

そうです)

 

 いやはや、私の子供のころは真っ黒になって

遊んでいて、こんなことを夢にも思いつきま

せんでした。

(めちゃくちゃ田舎で、こんな大きなバターは

ありませんでしたし、昔は百均もなかったですね。

まあ、あったとしても思いもつきませんが)

 

この出願は、特許事務所を通さず、お父さん、

お母さんが手伝って出願されていますので、

立派ですね。

 

 さらに、創作は、昨年の小学生のとき、というの

ですから、やる気があればなんでもできる!!

 

 気合いだ、気合いだー!!

(なんか、私のもう一つのブログで、この

フレーズは書いたような??)