知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略中級編   風間浦鮟鱇

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 次は、商標の中でもちょっと特殊な商標です。

 

 特殊なといっても商標自体はそんなに特殊

なものではないですが、使用者が限定される

という点で特殊だという意味です。 

 

 下記は、地域団体商標制度の説明ですが、

これは以前にも取り上げたことがあります。

 

知財戦略入門編 関さば - 知財アナリストのひとりごと

 

 この地域団体商標制度というのは平成17年の

法改正で新設されたもので、比較的新しい制度

です。

 

 これ以前には、団体商標というものもあったの

ですが、ある限られた団体しか登録できない

商標でした。

 

 しかし、最近、町おこしなど活発化しており

地域ブランドなどありますね)、「なんとか

お願いできませんか」という声が大きくなって

いました。

 

 この地域ブランドというのは、大体において、

商品などにその地域の名称をつけるということが

おこなわれているのが一般的ですよね。

 

 ということで、特許庁も、「よーし、わかった。

一肌脱ごうじゃないか」ということで、採用された

という経緯があります。

 

 上の貼り付けた説明にもあるように、「地域名」と

「商品名等」をくっつけたものが登録対象で、

「地域名」だけでは、権利侵害になりやすいので

「ブー」となりますので気をつけましょう。

 

 尚、地域ブランド保護という目的がありますので、

そのブランド名がある程度知られているという

要件も必要ですので、出願時には、その商品に対し

どのように商標を使用しており、地域とどのように

密接に関連しているかという書類も提出しましょう。

 

 特許庁のHPには、最新の地域団体登録商標

紹介されていますが、皆さん、見るのが面倒で

しょうから、見繕って書いておきましょう。

 

 非常に多いので「あ」の段の途中までです。

 

会津味噌

明石鯛

赤鶏さつま

上野焼

秋田諸越

秋田由利牛

庵治石

足柄茶

阿蘇たかな漬

熱海温泉

厚保くり

誂京染

天草黒牛

奄美黒糖焼酎

有田みかん

有馬温泉

有松鳴海絞

安房 菜の花

 

 こう見てみると、知っているものもあれば

知らないものもありますが、その土地の人に

取っては有名なのでしょうか?

 

 最近でも風間浦村特産のアンコウを「風間浦

鮟鱇」として出願して登録査定となったという

記事や、青森県の黒にんにく協会が、ニンニクを

発行させた加工品を「青森の黒にんにく」として

9月中に出願する方針だとかという記事が出て

いました。

 

 是非、地域団体商標制度を活用していただいて、

町おこしや組合企業の売り上げ増加に役立てて

欲しいものです。