知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析予告編 その3  ガッタパーチャ

 前回の続きです。

 

 このように、羽毛を使ったボールの発明後も、

貧乏人は木製ボールを使わざるを得なかったの

ですが、1848年にガッタパーチャボールという

のが発明されました。

 

 このガッタパーチャというのが何なのかですが、

これは、ボルネオ原産のガムのような粘性のある

樹液であって、ボイルすると柔らかくなり冷却に

よって固くなる性質がありました。

(ガッタパーチャボールという呼び名は長いので、

これ以後ガッティと書きます)

 

 ここの樹脂を一回暖めた後、丸い型に流し込んで

固めることにより、大量生産が可能になり、羽毛の

ボールの四分の一の値段で生産が可能になりました。

 

 これにより英国のゴルフは飛躍的に栄えることに

なりました。

 

 ガッティは樹脂を使用した、いわばワンピースボール

ですので、ダメージを受けても、再度柔らかくして

型に流し込めば元のボールにすることが可能でした。

 

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 上は、ガッティーの製造装置です。

出典:COLLINS ILLUSTRATED ENCYCLOPEDIA of GOLF

 

 その後、傷がついたりした場合に、飛びが安定したり、

飛距離が伸びることに気づき、このガッティは改良が

どんどんなされていきました。

 

 ちなみに英国オープン(The Open Championship)が

始まったのが1860年で、プロしか参加資格がなく、

8人のプロで競技がおこなわれ、ガッティが使用

されていたようです。

 

 このときはプレストウィックというところで開催された

のですが、12ホールの3ラウンドでおこなわれており、

優勝者のウイリーパークが174でまわり、2位のオールド

トムモリスが176でした。

 

 この当時はまだパーという概念がなかったので、

スコアしか記録されていませんが、当時としてもあまり

良いスコアではなかったようです。

 

 このため、名だたるアマチュアからはいろいろ文句が

出たと記録されています。

 

 尚、当時の記念品の定番はやはり優勝メダルでしたが、

このときは赤いモロッコ風の革ベルトしかもらえません

でした。

 

 話は戻って、このガッティも次の発明によって取って

変わられることになりました。

 

 USオハイオ州のグッドリッチタイヤに勤めていた、

コバーンハスケルという人が、ゴムのコアにゴム紐を

巻きつけさらにこれを外側にパターンを入れた、ガッタ

パーチャで覆うというボールを考え出しました。

 

ハスケルさんが発明したので、ハスケルボールとも

呼ばれます)

 

 これが1901年に英国で製作され、センセーションを

巻き起こしました。

 

 この後も、さらにいろいろ改良が加えられていったり、

ボールの外径の論争があったり、まだまだいろいろ

ボールについて話がありますが(まだ、糸巻バラタを

書いていませんね)、機会があったらそのうちまた

書くとして、次は、ゴルフクラブを見ていきましょう。

 

 ゴルフクラブのほうも、規則集で決められています。

 

 ゴルフクラブは規則集のSECTION IIIのRule4という

ところに定められており、さらに詳しいクラブデザインは、

APPENDIXのIIというところに書かれています。

 

 それではどんなことが書かれているかですが、4-1では、

「クラブはボールを打つためのものである」、(とーじぇん!)

目玉焼きを作るためのものではない、と書かれています。

(・・・うそです。「クラブはボールを打つためのものである」

としか書かれていません)

 

 パターは「主として」パッティンググリーンで使用される

クラブである。(「主として」となっているので、ティー

ショットで、かっくらきーんんんと打ってもいいんですね。

まあこのような使い方をする人はいませんが)

 

 次は、4-1のaです。クラブはシャフトとヘッドから

作られていなければなりません! シャフトだけでは

ダメなんですね。(こんなクラブでは打てないでしょうが)

 

 さらにはクラブは一つの構造として固定されて

いなければなりません! 固定されていないと結構

危険ですね。 さらに、重さを除いて、調節したり

できるようではダメです!

 

 次はそのbですが、シャフトはまっすぐで

ないといけないようです。(ある程度のところまで

(ソールから5インチ)となっていますので、

パターなどは、下のほうが曲がっているものも

ありますよね)

 

 グリップの近くで曲がっているクラブ見たこと

ないですよね。 めちゃくちゃ打ちにくいと

思いますが。

 

 というようにグリップについてとか、クラブヘッド

とかクラブフェースとかいろいろ書かれているの

ですが、クラブの本数がどこに書かれているかと

いうと、ありました、4-4というところに書かれて

いるんですね。

 

 クラブ本数の制限は14本と書かれています。

 

 さらに何が書かれているかというと、14本未満で

スタートした場合には、「14本になるまで補充しても

いーんです」と書かれています。 

 

 まあ14本未満でスタートする人はいないと思い

ますが、気がついたならば、積極的に補充致しま

しょう。

 

 と言っても、車に積んであったりしてなかなかそうは

問屋が卸さないというところですが。

(ただし、ご存知のように14本未満であってもクラブの

入れ替えは「ぶー」ですので気をつけましょう)

 

 APPENDIXのIIのほうは、親切に絵がかいてあって

いろいろ仕様が定められていますので、規則集を

持っている方は見てください。

(て、いうか、規則集を持っている人は、すでによく

ご存知と思いますが)