知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

またまたコピペ

 前回のつづきで、次は、問題の(2)です。

 

 ブログに、記事の文章をそのまま全文掲載

したらどうなのよという問題です。

 

 普通にやりそうですね。

 

 小保方おぼちゃんは、ブログではなくて、

自分の論文にかなりの量をコピペして、あたかも

自分の文章のようにしたとかしないとか言われて

いますね。

 

 問題文を読むと、ブログの中で、記事の全文

掲載の前に、簡単な文章と、記事掲載の後に、

一文が書かれているというものです。

 

 うーん、これも普通にやりそうです。

 

 これは、以前にも何度も取り上げていますので、

ブログを読んでくださっている方は、すぐに

「これは引用の話をしているんだな」と、気づくと

思います。

 

 問題では、「誰の」、「いかなる著作権法上の

権利」を侵害するかというのを書く必要があります。

 

 かなり簡単な問題ですね。

 

 サービス問題?    ・・・よくわかりません。

 

 「誰の」と、書かれていますので、ここで、まず

落とし穴があるんだなと思いますよね。

 

「いかなる著作権法上の権利」と書かれて

いますので、これもよく考えないといけないねと

いうところです。

 

 まず、「誰の」から行きましょう。

 

 今回はCさんが記事を書いてカメラマンDさんが

写真を撮っています。このように二人以上が共同で

一つの記事(著作物)を作り上げるというのが

あります。

 

 これは次の3つに分類されます。

 

1 共同著作物:各人の寄与を分離して個別的に

利用することができないもの。すなわち藤子

不二雄先生の漫画(早いうちに、それぞれで

書いていたようですので、あくまで分離

できない初期のものです)

 

2 集合著作物:章ごとに分担・執筆するもの。

これもよくありますね。

 

3 結合著作物:分離して利用可能なもの。 

今回の、記事と写真のようなものです。 

歌詞とメロディーなどもそうですね。

 

 ということで、写真と記事は分離できるし、

全文掲載と書かれていますので、写真はブログに

載っけなかったのでしょう。

 

 そうすると、記事の著作者は誰かということに

なります。(ここでは、記事は著作物か?という

のは明白でしょう)

 

 普通であれば、記事を書いたA社の社員Cさんが

著作者ですが、しかーし、以前にも書いた職務著作

(法人著作)というのがあるのを忘れてはいけません。

 

知財戦略中級編 職務著作?? - 知財アナリストのひとりごと

 

 大体、会社とその社員というのが出てきたら、

この前書いた職務著作というのが絡んでいるのでは

ないかと考えるのが、推理小説の定番ですね(推理

小説ではありませんが)。

 

 まずは。「誰が」というのが臭いな?(夏ですが、

私の体の匂いではありません!!)とまずは

考えましょう。

 

 職務著作は15条というところに書かれており、

前回書いたブログに書かれているもののほかに、

ご要件として、「契約、勤務規則その他に別段の

定めがない限り」というのもありますので、

これらが全部あてはまれば、A社が著作者

著作権者)になります。

 

 ということで、ここは、ご要件を挙げて、社員の

名前を記載している場合と記載してない場合を書き

ましょう。(自分で勝手に決め込んで、このように

なっているからこうだ、と書くと墓穴を掘りますので

注意しましょう)

 

 記事が、Cさんの署名入りだったりした場合

には、Cさんが著作(権)者と推定できるでしょう。

 

 ということで、「誰が」というのはオッケーですね。

 

 次は「いかなる著作権法上の権利」のほうです。

 

 著作権という言葉がなければ、「名誉棄損だー」

などと書いてもいいですが、これはやめましょう。

 

 それでは、まずは、原則論から入りましょう。

 

 全文コピペしましたので、まずは小保方おぼちゃん

状態で、複製権侵害で怒られますね。

 

 これをブログに載せて皆さんに発信しています

ので、これも怒られるでしょう(公衆送信権といい

23条というところに書かれています)。

 

 全文コピペで改変はないようですので、そこは

大丈夫でしょう。

 

「おふくろさん」騒動を知財的にいうと? 知財トリビア - 知財アナリストのひとりごと

 

 そのほかになんかないかと探してみると

ありました、ありました。

 

 コピペしたら、その著作者名を書いておかないと

いけないんですね。 これは、19条の1項という

ところに書かれています。

 

 Fさんは著作者名を書いていないようですので、

ここでも怒られるでしょう。

 

 ということで、原則を書いておいて、「しかーし、

引用っていう例外があるもんね」と続けると、

「おー、こいつはよくわかってるな」と印象がよく

なるでしょう。

 

 ということで、「引用のご要件、ボク知ってるもんね」

というのを書きましょう。

 

コピペですが、それが何か? - 知財アナリストのひとりごと

 

 上記にご要件を説明していますが、「結論として、

ちょっとやりすぎじゃね?」となりますので、「最初の

原則論でアウチですね」となります。

 

 しかし、登場人物のFさんは、「大物政治家Bの

いうことは信用できない」などとブログに堂々と

(実名で記載しているのか定かでありませんが)、

書いていて、ブログ炎上しないのでしょうか?

(逆に支持されたりして!!)

 

 もう試験の日から1週間近く立っていますので、

Fさんのブログ心配ですね???