知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略中級編    窓のプロ??

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 今、外国で、日本で使われている商標が、

先に登録されてしまうという問題が大きく

なってきています。

 

 特に漢字圏で顕著なようで、たとえば、京都の

宇治茶老舗3社の社名とロゴマーク(丸久

(まるきゅう)のロゴなど)が台湾で無断で商標

出願がされていたり、中国で、高島屋や無印

良品などの商標が第三者に登録されていたり

しているそうです。

 

 さらには、中国企業がタオル産地の「今治」を

商標登録出願して、四国タオル組合などが中国

当局に訴え出て、幸いにも、登録の一部を認め

ない裁定が下ったり、日本の都市名が登録されて

いたり、やりたい放題といったところがあります。 

 

 台湾で、ラーメンの「神座」が登録されてしまって

いるというのもありますね

 

 海外で名刺交換しただけで、商標を出願されて

しまったケースもあるようで、一旦登録されて

しまうとこれを覆すのは非常に困難で、幸いにも

日本の主張が認められたとしても労力は大変な

ものになりますので、これからは日本も海外で

売って行く時代となりましたので、海外での商標

出願を考えるべきでしょう。

 

 商標の海外出願については、日本での登録

などを基礎として、マドリッド協定の議定書に

基づいて(略してマドプロと呼ばれます)、国際

登録出願というのができますので、これを活用

すべきでしょう。

 

(長くなるので、これは割愛します)

 

 ということで、前置きが長くなってしまいましたが、

前回の続きで、出願しても、日本では識別力という

のがなくて、登録できないものがあります。

 

 これがどんなものかというのを見てみましょう。

 

 これが、一番上に書かれている識別力のない

商標というものです。

 

 商標というのは、他と識別するためのネーミング

ですので、1番目と2番目に書かれているような

普通に使われている名詞や、業界で慣用されて

いる商標などは「ダメー」と言われてしまいます。

 

 これは少し説明が必要で、「美容」のサービスを

するのにそのものズバリの「美容」という普通名詞は

登録できないという意味で、これが、お菓子とか、

ピッケルとか、げたとかにだったらOKなわけです。

 

(上記は実際に登録されているのを書いてみました)

 

 尚、これらは審査基準にいろいろ詳しく書か

れています。(商標法の審査基準は結構楽しく

読むことができ、いろいろ長々と書くことができるの

ですが、中級編ではこのへんにしておきます)

 

 次は、3番目の産地や品質を示すものですが、

これらが登録されてしまうと、品質を示せなく

なってしまいますよね。

 

 4番目は、ありふれた名字なども「ブー」となって

います。

 

 5番目は簡単なもので、例にはABが書かれて

います。 審査基準ではそのほかに「△」、「◇」、

「○」なども取り上げられています。

 

 6番目は「平成」が取り上げられていますが、

この6番目の説明は、1から5までの説明を

総括したものだと言われています。

 

 一番下には、その商標の使用の意思がなけ

ればNGとなっており、したがって、その業態に

よっては、そもそも登録できない商標なども

あります。