知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

オーディオテクニカさんのシャリ玉マシン

  今回はオーディオテクニカさんです。

 

 皆さん、レコードをお持ちでしょうかね。

 

 それよりも、そもそも、最近の子供はレコードを

知っているもんでしょうか。

 

 昔は、小学生向けの雑誌(小学一年生など

まだあるみたいですが)には、たまにソノシート

というペラペラなレコードがついていたもんです。

 

 「ああ、そうそう」と相槌を打った、あなた、

年代がわかってしまいますよ。

 

 ということで、今回はソノシートの話ではなく、

レコード針やカートリッジを生産していた(まだ

販売しているようですが)、オーディオテクニカ

さんです。

 

 私も昔のレコードをいろいろ持っているの

ですが、レコード用カートリッジを入手するのが

困難な状況です。(ていうか、値段が高いです

よね)

 

 このオーディオテクニカさんは、1962年創立の

東京都町田市にある会社です。

 

会社情報 | オーディオテクニカ

 

 主要営業品目というところを見ていただくと

わかりますが、最近はマイクロホンやヘッドホン

等に軸足を移しているようです。

 

 ということで、前日の続きで、「片足伸ばして

がっちりビジネス」の続きです。

 

 先ほどの主要営業品目の最後のほうに、

まったく毛色が異なる、「食品加工機器(業務用

すしメーカー)」などが書かれています。

 

 がっちりマンデーによると、1982年にCDが出て

きて、レコード針やカートリッジはもう売れないだろう

と考え、このオーディオテクニカさんは、何ができるか

いろいろ考えたんだそうですね。

 

 ここで閃いたのが、金型を作って部品を作る技術を

応用しようということで、お寿司のシャリ玉マシンに

行き着いたそうです。(他もいろいろ考えたのですが、

他はうまくいかなかったそうですが)

 

 番組では、シャリを均一な密度にしながら握りこむ

タイミングで、空気の含み具合が変わって来るの、

ここがノウハウだと言っていました。

 

 結構難しいもんなんですね。

 

 オーディオテクニカさんのシャリ玉マシンは、

回転ずしの「くら寿司」さんで使われているそうで、

寿司用マシンでは業界2位だそうです。

 

 といっても、ヤホーで調べると、業界1位の

不二精機株式会社さんのシェアがダントツ

8割強だそうですが(ただし、おにぎりです

のでちょっと違います)。

 

不二精機株式会社−おにぎりマシン8割強のトップシェアの実績− > トップページ

 

 オーディオテクニカさんの特許出願を調べると、

シャリ玉マシンに関係する出願は、2001年から

されており、発明の名称は、「米飯成形装置」や

「食品成形装置」、さらには寿司ネタ用の「食品

切断装置」など、28件を数えることとなりました。

 

 それでは、不二精機さんはどうでしょう?

 

 実は不二精機株式会社さんというのは、同姓

同名?の不二精機さんがあり、こちらは以下と

なります。

 

会社概要 | 精密金型と射出成形の不二精機

 

 以前に説明したように、特許検索をおこなう

場合には、識別番号で行う必要があり、

後者の金型屋さんのほうの識別番号は、

「390037420」であり、寿司マシン屋さんは、

「000236746」となります。

 

 こちらの不二精機さんは、「巻寿司の切断

装置」や、「おにぎり製造装置」、「食材盛り付け

装置」など、専業メーカーならではの出願が

多数出ていました。

 

 ちなみにおにぎりの製造装置やお寿司の

製造装置というのは、IPCではそこまで詳しく

分類されていないのですが、FIのほうは、

さすが日本、A23L1/10がさらに細かく分類

されています。

 

 これは、AからZまであり、おにぎりやお寿司

の製造装置は「G」となっていますので、これらの

製造装置は、この分類で検索できることに

なります。

 

 ということで、今日はこのへんで。