知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略中級編 柳ユーレイ?

f:id:oukajinsugawa:20140720102329j:plain

 前回は、知的財産のうちの実用新案を説明

しました。

 

 次に来るのは意匠ですね。

 

 私は、最初、意匠と言われても、何のことだろうと

思っていました。

 

 いまどき、意匠などという日本語!、 あまり聞きま

せんよね。

 

 日本語の意匠!というよりも、デザインと言ったほうが

わかりやすいですね。

 

 そうなんです、物品についてのデザインを保護するのが

意匠法です。

 

 それでは、意匠(デザイン)というのはどんなものが

あるのか、というのを示したのが、上の図です。

 

 デザインは、椅子とかテーブルとかいろいろな

デザインがありますが、上の図では、大は飛行機、

小は半導体など取り上げられています。

 

 それでは、意匠法のデザインとして認められる

ためには、何が必要なのでしょう?

 

 この詳細は法律には書かれておらず、審査基準と

いうのに書かれています。

 

 これを図入りで示したのが下の図です。

 

f:id:oukajinsugawa:20140720102417j:plain

 

 まず、意匠の前提として、物品と認められ

ものでなければならないと書かれており、

その下にいろいろ書かれていますが、これを

読んでもさっぱりわかりません。

 

 まあ、花火みたいに一瞬で消えてしまうものは

「ブー」と覚えておけばよいでしょう。

 

 次の二番目は物品自体の形態である必要が

あると書かれていますが、「なんのこっちゃ?」

ですよね。

 

 これも、デパートの売り場で目を引くために、

ハンカチを何かの形に折り曲げて展示している

場合がありますが、この展示用の形も「ブー」と

いうことも示しています。

 

 ただし、この場合は、ハンカチで何かの形に

して、この何かの形が売り物なんだという場合

には、そのデザインは「オッケー」となります。

 

 三番めですが、外から見えるものでなければ

なりません。 デザインは見えるような表現です

ので、当然ですよね。(まあ、ここはいろいろな

論点がありますが、さらっと行きましょう)

 

 冷蔵庫の中はどうなんだというものがありますが、

扉を開いたら、中を覗くことができますので、

冷蔵庫の中の見える部分のデザインは、

「オッケー」となります。

 

 また、粉もののような一粒一粒は、しげしげと

見るようなものでない限り「ブー」となります。

 

 ただし、ダイヤモンドのようなものでものすごく

小さいものであっても、ルーペで常に観察する

ようなものであれば、これも「オッケー」となります。

 

 四番目は、見て「きれいねー」などと感嘆

されるようなものでなければならないと書かれて

いますが(そうは書かれていませんが)、まあ、別に

幽霊のような形をしたものや、骸骨のような形を

したものでも、登録される可能性があります。

 

 美観というのは、要は主観ですもんね。

 

 ということで、意匠と認められるものは、物品の

外観に施されたデザインといってよいでしょう。

 

 まあ、これらの要件を満たしていたとしても、

特許法と同じように、新しくないとダメ、とか、

進歩性が必要だよねーとか、登録されるためには、

いろいろ合わせ技が必要となります。

 

 このほかに、登録されるものには、椅子と

テーブルの組み合わせのものとか、同じような

デザインを一緒に登録するものとかいろいろあり

ますが、ちょっと難しくなるので、この辺で。