知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略中級編  ちょっと難しいですが・・・

f:id:oukajinsugawa:20140712083444j:plain

 

 ということで、特許関係を調べてきました。

 

 それでは、最後に、ちょっと上級者向けですが、

知財戦略を考える上で重要なので、権利とはどの

ようなものなのかということを話して、特許編は

終了しましょう。

 

 権利を考える上で、海外での権利化はどのように

すべきかを考えなければならないのですが、

冒頭の図を含め貼り付ける図は、特許庁のテキスト

には載っておらず、私が講義で説明している資料と

なります。

 

 このため、字が多くて、さらに字が小さくて見

にくいかもしれませんがご勘弁ください。

 

 まず、発明ですが、発明は3つのカテゴリーに

分けられます。

 

 一つ目は、「物」の発明

 二つ目は、「方法」の発明

 三つめは、「物を生産する方法」の発明

です。

 

 これらは、そのカテゴリーによって、権利範囲が

異なります。

 

 これを、海外で取得した場合、または日本だけの

場合などに分けて考えてみます。

 

 冒頭の図は、物の発明の場合を想定し、日本で

半導体Aと半導体Aの製造方法という特許を取得

しているとして考えます。

 

 尚、各国の特許法は、それぞれの国ごとに違い

ますが、説明が複雑になるので、簡単に、各国の

権利範囲は日本と同じと仮定して説明します。

(したがって、他国の法律効果が日本と異なる

場合には、以下の説明とは異なりますので、

気を付けてください。)

 

 上の図の一番下に、日本の特許法での権利

範囲を書いています。

 

 さらに、△△国では、半導体Aの特許権だけを

所有し、○○国では特許を持っていないとし、

さらに××国でも特許を持っていないとします。

 

 この場合に、それぞれの国で何ができるかと

いうのを考えるわけです。 つまりはそのような

弊害をなくすためにはどのような知財戦略が

必要かというのを考えてみます。

 

 まず、○○国の中で、第三者が半導体Aを

製造しても権利をもっていないので、「やめて

くれー」と言えません。

 

(言うことだけは言えますが、「そんなの知らね」

と言われてしまいます)

 

 〇〇国で第三者が半導体Aを販売しても

しかりです。

 

 それでは、〇〇国で第三者が半導体Aを製造して

XX国へ輸出した場合はどうでしょう。

 

 権利を持っていた場合には、輸出したり輸入したり

した場合にも差し止めができるのですが、XX国で

権利を持っていませんので、輸入されても文句を

言えないし、もちろん販売されても文句をいうことが

できません。

 

 それでは、△△国では、どうでしょう。

 

 半導体Aは「物」の発明ですので、〇〇国から

△△国への輸出は、△△国の水際で差し止める

ことができるし、△△国での製造する行為も

禁止することができます。

 

(もちろん販売も禁止)

 

 ということは、どういうことかというと、販売

したりする国をすでに想定している場合には、

その国で権利の取得が必須ということです。

 

 ここが知財戦略では大変重要ですので肝に

命じましょう。

 

 これらを同じように説明した2つの図が以下と

なりますので、詳細は説明しませんが、考えて

みてください。

 

(尚、他のケースもあると思いますので、それも

考えてみましょう)

 

f:id:oukajinsugawa:20140712083910j:plain

f:id:oukajinsugawa:20140712083935j:plain