知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編5 スペーシア21

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 3連休ですね。

 

 3連休ということで、今日は趣向を変えて、

以前に取り上げた千秋さんのお父様の日本

板硝子スペーシアというのを調べてみましょう。

 

藤本千秋さんて誰?? - 知財アナリストのひとりごと

 

 まずは、日本板硝子株式会社を検索すると、

NSGグループというのを形成しています。

 

日本板硝子株式会社

 

 会社概要を見ると世界最大級のガラスメーカー

となっており、連結で約5213億円の売り上げだ

そうです。(最大級であって、最大ではありません。

AGC(旭硝子)の売り上げはこれ以上です)

 

 売上高構成比なども詳しく出ていますが、事業と

しては、建築用ガラスと、車用、高機能ガラスの

3本柱のようです。

 

 それでは、どのような研究開発がおこなわれて

いるのか、特許出願状況から見たものが上記の

マップです。

 

 建築用と車用ガラスで売り上げの90%近くを

占めていますが、次の稼ぎ頭としての高機能

ガラスの研究にもパワーを注いでいるようです。

 

 さらに、細かく分類したのが以下ですが、結晶化

ガラス、レンズ関係、太陽光パネルなど、高機能

ガラスの研究開発が目立ちます。

 

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 それでは、スペーシアというのがどのようなものか

見てみると、1997年に発売された、2枚のガラスで

真空層を形成したガラスだそうです。

 

 しかし、今回取り上げるのは、スペーシア21

いうもので、スペーシアと、Low-Eガラスをさらに

2重構造にして、アルゴンガスを入れたものだ

そうです。

 

 Low-Eガラスとは、ガラス表面に金属皮膜を

形成することにより、熱エネルギーを反射させる

働きを持つものです。

 

 アルゴンは空気よりも熱伝導率が低く、さらに、

真空にするとガラスがたわむので、真空にする

代わりにアルゴンを入れ、これを防ぐ働きも

してくれます。

 

 残念ながら、この機構は特許出願中で、まだ

公開されていません。

 

 したがって、次回は、ほかの会社ではどのような

研究がおこなわれているのか見てみましょう。