知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略中級編  特許権の効力

f:id:oukajinsugawa:20140712082803j:plain

 それでは、めでたく登録となった場合、特許権

いうのはどのような権利が発生するのでしょう。

 

 また、どのように利用できるのでしょう。

 

 ここのところは、いままでに、いろいろ説明して

きましたので、さらっと行きましょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20140712082847j:plain

 まずは、自分で使う場合ですね。

 

 特許を登録する目的は、自分と同じような製品が

出てくると困るので、ほかの人が同じ市場に参入

できないようにするのが目的ですので、当然です。

 

 次は他人に使わせるものです。

 

 他人に使わせて、これでお金を儲けるというもの

です。 これをおこなう場合には、かなり魅力的な

特許でないと「使わせてくれー」と言ってこないでしょう

から、魅力的なものを出願しないといけないですね。

 

 この他人に使わせるというのには、法的には、

いろいろな分け方があるのですが、大きなものと

しては、専用実施権と通常実施権というものが

あります。

 

 使用権とはいわないので気をつけましょうと

いうのは以前に書きました。

 

 

すいきんちかもくどってん明解? - 知財アナリストのひとりごと

 

 

 専用実施権というのは、ライセンスを受けた人

だけが使えるというもので、自分も使えなくなります。

 

 ライセンスを受けた人だけが使えるので、複数

の人にはライセンスできません。

 

 もう一つの通常実施権ですが、まあいろいろな

種類があるのですが、共通しているのは、複数

人にライセンスできて、自分も使えるというものです。

 

 特許を取ったとしても誰かがその特許を侵害して

いる場合、訴訟に訴えるという体力がない場合には、

他の人に専用実施権の設定をするというのも

一つの作戦です。

 

 

知財戦略入門編 少数精鋭!! - 知財アナリストのひとりごと

 

 

 そのほかにも、譲渡するというのもあります。

ベンチャー企業では、一生懸命発明に勤しんで、

いいものができたら自分のところで実施せず、

他へ売り渡すという研究開発型のベンチャー

企業もありますね。

 

 しかし、最近問題となっているのは、パテント

トロールというもので、自社では実施の意向は

ないのに登録特許を買い集め、「侵害だー」と

いって訴訟に持ち込み、お金をせしめるのを

商売とする企業が出てきたことです。

 

 企業のほうでも、これに対抗するために、売り

出された登録特許に対し、企業が連合してこれを

買ってしまうという対策もおこなわれています。

 

 しかしお金がかかりますよね。

 

 尚、トロール(troll)というのは、英語では、

流し釣りのことや、インターネットなどで、

反応を見たいがためにトロール漁法のように

疑似餌を撒いて、場を荒らして面白がるのを

目的とする人のことをいいます。

 

 これが転じて、パテントトロールというように

なったとかいろいろ書かれていますが、

USヤホーのウイキで見てみると、いろいろな

説があるようです。

 

 まあ困ったことです。

 

 下は、権利者でない人が実施できる場合で、

家庭内や、試験、研究などは「まあ、いいん

じゃね」となっています。

 

f:id:oukajinsugawa:20140712082947j:plain

 たとえば、特許登録されている洗濯機を、

研究のために作ってみるなどは許されます。

 

 ただし、洗濯機を作って売ったら怒られ

ますので気をつけましょう。

 

 まあ、洗濯機を実験で作る人はいないで

しょうが。

 

 最後に、下のように侵害の場合には、刑事罰

なりますので、気をつけましょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20140712083050g:plain