知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略中級編  職務発明?

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 前回の続きで、特許を受ける権利です。

 

 特許を受ける権利は発明をした人に発生し、

出願ができるようになるのですが、実際、会社、

研究機関に勤めている人や、大学の先生などは

自分で出願するとお金がかかりますよね。

 

 また、お金を出して研究開発をさせている会社

などのほうでも、お金を出しているのに自分の

権利にならないのではやってられません。

 

 ということで、発明者しか出願できないという

のでは非常に不便だし、不公平のような気が

しますので、特許を受ける権利というのは

他人に譲り渡すことができることになって

います。

 

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 譲り渡すことを、特許法では、承継といって

います。(特許法の34条に言葉が出てきます)

 

 ただし、誰にこの権利を譲り渡したのか、

誰かが嘘をついていたりすると面倒なことに

なりますね。

 

 話が長くなるので説明は省略しますが、

特許法では、どのような場合、承継が有効か

規定されています。

 

 ここで、企業が(大企業、中小企業、零細

企業を問いません)知財戦略を検討する場合、

まずは、従業員の発明を奨励することに

なります。

 

 しかし、「発明しろー、発明しろー」と社長さん

が、働いている人の尻を叩いても、働いている

人の得にならなければ、皆さん発明などは

しないでしょう。

 

 ということで、発明の動機づけ(インセンティブ

incentiveといいます)となるように、人参?か

何かを鼻先にぶら下げる必要があります。

 

 この人参というのは、発明をした人に一時的に

褒賞金を出したり、その後に売り上げに貢献した

場合には、売り上げに応じてさらに褒賞金を

出すなどがあると思います。

 

 知財戦略の最初のインフラ整備において、これを

おこなう必要があるでしょう。

 

 それでは、会社(企業)や、研究機関ではどう

すればよいでしょう。

 

 会社はただお金だけ出して、働いている人が

そのまま特許出願していては、何のためにお金

を出しているのかわかりませんよね。

 

 発明をする人は、そのほかにも会社の設備を

使っているわけだし、これじゃ会社はやってられ

ません。

 

 ということで、特許法では、(実用新案法などでも

同様)、職務発明制度というのがあります。

 

 以下次回。