知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略中級編  ダサソー

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 百均の「ザ・ダイソー」が、韓国での雑貨店に

「ダサソー」という似たような商標を使われたと

いうので、「商標権侵害だ―」と韓国で訴えた

事件で、ソウル高裁が商標使用を禁じ、

約2億3千万ウォン(約2300万円)の支払い

を命じる判決を言い渡したという記事が出て

いました。 

 

 最初読んだときに、ダサソーなんて誰も

買わないんじゃないかと思ったのですが、

読んで納得!

 

 ダサソーというのは韓国の方言で「全部

買ってください」という意味なんだそうですね。

 

 日本でダサソーというお店を見つけたら

ダイソーさん、はたして訴えるのかなと思った

のですが、まあ、自分のお店にダサソーと

いう名前をつける日本のお店はないでしょう

から余計な心配ですね。

 

 ということで、閑話は休題ということで。

 

 前回は、発明と認定されるためには?と

いうのを調べてみました。

 

 今回は、じゃあ発明と認定されたら、全部

特許にしてくれるのか?というのを調べて

みます。

 

 そーなんです。 ただ発明と認定されただけ

では、すぐ特許にしてもらえず、上記のように、

結構いろいろな要件があるんです。

 

(以前に、要件というのを書きましたが、

「ようけん」というと、ご用件は?の「用件」の

ほうを思い浮かべてしまいますが、こちらの

ほうは、条件のような「要件」です。

 

 特許を受けることができる発明というのを

法律で書くのは結構面倒なもので、このため、

書きやすいほうの、「該当しないもの」、と

いう裏側からの書き方になっています。

 

 一番最初に来るのは、産業上利用できる(もの)

というものです。

 

 この法律の目的が、産業の発達ですので、

まずは、産業上利用できないといけないようねー

となっています。

 

 法律条文では、「産業上利用できる」発明と

しか書かれていません。

 

 というのは、産業という定義は、時代や政策に

よって変遷したりしますので、法律では定義を

せず、他で定義をおこない、時代や政策が変わっ

たら、変更しやすいそちらを変更しましょうと

なっています。

 

 (昔は、銀行や保険会社などは特許とあん

まり関係ないよねーなどといわれていましたが、

近年、ビジネスモデル特許なども認められる

ようになり、脚光を浴びるようになっていますね。

 

 ただし、なんでもビジネスモデルが認められ

るわけでなく、一定の「要件」が必要です)

 

 このため、①から③は審査基準のほうに書か

れています。

 

 まずは①のいわゆる「医療関連発明」といわ

れるものです。

 

 話は脱線しますが、地域によって、①を

「いちまる」と言うところと、「まるいち」と

言うところがあるそうですね。

 

 (1)、(2)のほうも、「かっこいち、

かっこに」と言うところと、「いちかっこ、

にかっこ」と言うところがあるそうです。

 

 皆様の地域はどちらでしょう?

 

 ということで、話を戻して、医療業は

特許法で規定する産業ではないとする説や、

産業だとする説などあります。

 

 まあ、しかし、人間を手術する方法などが

特許になってしまったら、お医者さんは、

心配でおちおち手術できなくなってしまうん

じゃね?とか言われており、「人間」を診断、

治療、手術などする方法については、産業上

利用可能性が認められないということになって

います。

 

 これについては、いろいろ論点があり、偉い

学者先生方が議論をしていますが、長くなる

ので割愛します。

 

 尚、医療関係でも、医療機器などは、開発が

産業発達に役立つよねーということで、こちらの

ほうは特許にすることができます。

 

 また、日本では、「人間」に対してだけ特許を

取ることができないことになっており、動物に

対してはオッケーとなっています。

 

 このため、件数は多くないですが、例えば、

「動物の脳疾患の治療方法」特許4393795などが

登録されています。

 

 以前に、各国の特許法はみんな違うという話を

しましたが、たとえば、アメリカやオーストラリ

アでは、手術方法などでも特許を取ることができ

(いろいろ制限はありますが)、医療行為での

侵害についても免責規定がある国や無い国など

さまざまです。

 

 最近、再生治療などが脚光を浴びてきました

ので、このへんで取り扱いが変わったりしています。

 

(話は違いますが、小保方おぼちゃんのSTAP

細胞はどうなっちゃうのでしょうね)

 

 長くなってしまったので、次回へ続く。

 

後書き:

1 昨日特許法などの改正の話をしましたが、

ドンピシャで、昨日特許法等改正講義ビデオ

特許庁HPにアップされていました。

 

 内容を見てみましたが、特許庁などが開催

する説明会に行かなくてもよいので便利ですね。

(我々弁理士は、説明会に行くか、別途の

E-Learningがマストなので、このビデオを見る

だけではダメなのですが)

 

 まだ政令等を作成している段階なので、政令

審査基準が出てきたら詳細解説いたしましょう。

 

2 各種パンフレットもHPで公開されています。

 料金一覧とか、審査請求料返還制度など知財

戦略を策定するのに必要な情報が書かれています

ので、見てください。

 

3 昨日の特許庁メールマガジンには、「下町ロケットに

学ぶ中小企業の経営戦略」というイベントがある

ことが書かれていました。

 

 この前、私も同じような説明をしましたが、この

ブログを読んでくださっている方は、行く必要が

ないですね??

 

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