知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略中級編  フォークボールかスプリットか?

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 日本コロンビアさんは、日本対コロンビア戦を

応援するといっていましたが、どのような応援を

したのでしょう。

 

 ということで、前と同じ図になりますが、わかり

やすいように同じ図を掲載しておきます。

 

 ということで、発明というのはどういうものかと

いうのをうまく表せないので、審査基準では、

「実は、どうなのよ」、という具体例を掲げて

発明を説明しています。

 

 まずは、発明っていうのは、自然法則、すなわち、

水は上から下へと流れる(別の宇宙では下から

上に流れる?宇宙があるかもしれませんが)と

いうような自然法則を使っていないといけないよね

ということが書かれています。

 

 ここでバッテンがかかれているのが自然法則を

利用していない例示です。 すなわち、人為的

取り決め(商売のやり方など)は発明になりません

と書かれています。

 

 さらに、自然法則自体(エネルギー保存の法則

など)は、発見しても発明にはなりませんよと

言っています。

 

 すなわち、我々の世界では、重力、電磁力、

弱い力、強い力で構成されているとされて

いますが、第五の力が発見されても(統一

された力というのもありますが)、「発明には

なりません!!」と言っています。

 

 それでは、次の、天然物からの分離ですが、

審査基準では、「発明」とは「創作」なので、

作り出していない「発見」だけでは「ダメ!」と

言っています。

 

 よく例に出されるのが、「味の素は旨み成分を

抽出したから発明なんですよー」などと説明され

ます。

 

 それでは、作り出す方法は、その方法で、

毎回毎回100%作り出せないといけないかというと、

それほどは要求されていません(反復可能性と

いいます)。

 

 よく例に出るのは、御木本幸吉翁の真珠の

養殖で、最初の成功率は数%の成功率だった

と言われていますが、ある程度の成功の

可能性があれば、特許されるといわれています。

 

 その次は、技術的思想です。

 

 フォークボールの投げ方は個人の熟練による

ものであって、 技術的思想ではありません。

(技術に関して一生懸命考えた創作だとも

いえなくはありませんが)

 

 まあ、とりあえずはそういうことなので、皆さん、

全員が実施できるものならOKですが、村田兆次

さんだけが投げることができるフォークボール

投法などは発明にあたりませんので、ご注意

ください。

 

(古いたとえですいません。 今は、マー君の

スプリットのほうが有名ですね。 細かく話すと

スプリットとフォークボールは違うのですが、

まあ、目くじら立てる人もいないでしょうから、

 フォークボールのたとえですいません。)

 

 ただし、これは日本の審査基準であって、

アメリカではゴルフのパットの方法というのが

登録されたことがあります。 (US5616089号)

 

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 まあ、そのほかもいろいろありますが、このへんで

留めておいて、初めからこのようなことが決められて

いたのかというと、そういうわけではありません。

 

 法律(法令)だけでは、判断できないことがやはり

いろいろ出てきて、その都度、訴訟となったりして、

この裁判例が先例となったりすることにより、その

うち法律が改正されたり、審査基準が改正されたり

して、どんどん法律もクリアになってきたということに

なります。

 

 したがって、特許法などは、毎年のように改正が

あり、審査基準も変更されますので、毎年よく見て

おかないと古い話をしかねない、ということになり

ますので気を付けましょう。