知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

老舗の実力

 それでは、この前書いた老舗の話の

続きです。

 

 昔からの老舗は古い伝統を守り続け

ているだけなのか?というとそうではなく、

新しい技術などにも挑戦している老舗も

いろいろあります。

 

 まずは、1899年創業のカタニ産業と

いう薄い金箔を作る企業では、金箔を

挟む薄い和紙に注目し、これをあぶら

とり紙として販売すると大ヒットした

そうです。

 

金箔 あぶらとり紙 かなざわカタニ・ドットコム/あぶらとり紙/あぶらとり紙 各種

 

 もしかすると、使ったことがある人も

いるのでは?

 

 あぶらとり紙では特許出願はありません

でしたが、金箔関係で6件の出願が

されていました。

 

 老舗だから昔の技術だけに固執して

いるのかというと、違っていて、老舗は暖簾を

守るため日々進化しているのですね。

 

 カタニ産業(かなざわカタニ)では、この

他にも金箔貼り体験や、金箔ストラップなど

いろいろやられています。

 

https://www.k-katani.com/shop.htm

   

 

 古い技術だけではやはり難しいものも

あり、老舗だからとあぐらをかいている

だけでは、やはりじり貧になってしまい

ます。 

 

 時代に合わせ新しい商品を生み出し

続けているからこその老舗なのかも

しれません。

 

 高知県にある1894年創業の須崎市

安和の竹材専門の老舗では、壁材や

飾り物にも使われる竹を一本一本

まっすぐにする加工技術を持っている

のだそうです。

 

 竹は普通種々曲がっているのですが、

すべて曲がり方が違うため、まっすぐに

するのが老舗の技なのだそうです。

 

 しかし、竹は斜陽産業で、竹の工芸品も

製造していますがそれだけではやって

いけないので、竹炭で使った空気清浄機を

作り、竹炭のフィルターで花粉や菌を除去

できるようにしています。

 

 竹炭には隙間が多く表面積が一般の

炭に比べ約4倍で炭には消臭効果も

あるとのことでした。

 

 さらに竹の葉から作ったノンカフェインで

体に優しいお茶とか名刺入れとか年間

30種類程度の開発をおこなっている

そうです。

 

 残念ながらまだそれほど売り上げには

結びついていないそうで、早く売り上げに

結びついて欲しいものです。

 

 もう一つ京都にある1751年創業の

日本画用絵具専門店があります。

 

 日本画用の絵の具というのは、100

種類以上の色を石や貝殻から作る

そうです。

 

 白色はホタテの貝殻から作るそう

ですね。

 

 天然素材のため絵が長持ちし、

日本画用はこの絵の具でないと

だめと言っていました。

 

 ここも女性ならではの発想で絵の具

素材を使ってマニキュアを開発しており

天然成分なので爪を傷めず輝きがあり、

現在40色以上を販売し年間35万本の

売り上げだそうです。

 

http://co-trip.jp/article/7499

 

 ホラン千秋さんの感想では、爪が呼吸

でき、軽いとのことでした。

 

 マニキュアを使ったことがないのでよく

わかりませんが、そんなもんなんでしょうか?

 

 ここの特許出願は「画材接着材絵画用

メジュウム」という一件だけで、マニキュア

の出願はされていないようです。