知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略入門編 重複研究を回避しよう

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  越後製菓さんの研究開発を見てきましたが、

 今回は、どのような課題があってどのような

 解決方法を探っているのか見てみましょう。

 

 この方法には、研究課題と解決手段から

 キーワードを抽出する方法もあります。

 

 この方法は細かい内容を見る場合に向いて

 いますが、今回は業務でおこなうような分析で

 ないため、大まかな課題として縦軸にFIを取り、

 横軸に解決方法としてFタームを取りましょう。

  

 上記がそのマップですが、それぞれの軸の

 FI記号と、Fタームを入れると長くなってしまう 

ので、FI記号とFタームは省略しています。

  

 縦軸を見ると、お餅屋さんでは、前回の

 お供え、包装、電子レンジ用容器などの

 課題があるようです。

 

 これらの課題についてどのような解決方法を

 取っているかというと、フイルムや、製造工程、

 特殊形状にしたり、一体成型方法を考えたり、

 溶着方法を工夫したりしているようです。

 

 一例を挙げると、高周波(マイクロ波)加熱に

 対しては、容器、フイルム、植物由来のものなど

 で解決方法を探っているようです。

 

 実際には、これだけの分析では詳細はわかり

 ませんので、戦略分析であれば、さらに公開 

された要約、図面、請求項、明細書を読み込み、 

競合先がどんな戦略を採っているのかを 

調べることになります。 

 

 これが、自社の研究開発の方向性を決める

 場合には、相手先と同じ研究をおこなっても

 お金の無駄ですので、他社がおこなって

 いない分野や、他社がおこなっていても、

 自社の強みが発揮できるところがないか

 などを探っていきます。

 

 この分析によって、重複研究、重複投資を

 回避することができますので、この分析は

非常に重要です。