知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略入門編 海外事情

f:id:oukajinsugawa:20140301033302j:plain

 

 それでは今回は、性善説が海外で通用する

のかを見てみましょう。

 

  よくアメリカは訴訟大国だといわれます。

弁護士が多すぎて食べていくためにどんな

小さなことでも訴訟に持ち込むんだとかの

話が、まことしやかにささやかれますが、

中国はどうなのよというのを見たのが

上図です。

 

 上図は特許庁で毎年出している特許行政

年次報告書から貼りつけています。

 

http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toushin/nenji/nenpou2013_index.htm

 

 ピンクが中国ですが、ものすごい勢いで

訴訟数が増加しており、2011年はアメリカの

2倍以上であるのがおわかりだと思います。

 

  これは、特、実、意だけですが、下記に示す

ように他も含めるとものすごい数になります。

 

http://www.globalipdb.jpo.go.jp/statistics/661/

 

f:id:oukajinsugawa:20140301033237j:plain

 

 数字が見えにくい場合は、URLで見てください。

 

 中国企業のイメージというと、新規技術開発を

おこなわず、模倣を行うばかりというイメージが

つきまといます。

 

 確かに、中国企業では、日本国内でしか出願

されていない出願を調査し、中国で出願されて

いないことをよいことに、ちゃっかり模倣すると

いうことも行われています(法的には問題ない)。

 

 ただし、中国政府は奨励金まで出して2015

での知財(特、実、意)出願件数を250万件まで

伸ばそうとしていますし、中国における外国企業と

中国企業の合弁も2020年頃には技術の吸収を

終了し、合弁を解消するといわれています。

 

 さらに、前記したように中国国内での知的

財産権訴訟は増加しており、現在は中国国内

での訴訟合戦に終始していますが、近い将来、

訴訟スキルを身に付けた中国企業が海外で

大量に訴訟を起こす危険性があります。

 

 このように、我々は、国内での戦略に終始する

だけでなく、ワールドワイドで、どのように知財

戦っていくかという戦略を立てる必要があります。  

 

 (まったく知財を考えないなどというのは、とても

でないですが、これからは生き残っていけないで

しょう。)