知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略入門編 知的財産すべてを考えよう

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 前回、知的財産とは、情報だと書きました。

 

 すなわち、事業活動、営業活動で生み出さ

れる事業活動等に必要な情報です。 知財

活動というと、製造業特有な活動と思われ

がちですが、事業活動に重要な情報ですから、

製造業のみならずすべての業種にあてはまります。

 

  それでは、どのような業種でどのような知財

活動が必要なのでしょう。 前回紹介した佐原

雅史氏の「知財戦略の教科書」では、これらを

3つの型にわけて書かれているので紹介します。

  

 まず、「知識資料」には、顧客リスト、名刺リスト、

クレーム情報、市場調査情報、実験・試験データ、

開発ノート、アイデアメモ、設計図、商品パンフレット、

企画提案書などすべてが「知識資料」であると述べ

られています。

 

 これを分析すると上の図で示したように3つに

わけられます。

 

 漁業や、農業、林業などの一次産業は本では

説明されていません。 これらはどこに入るかを

考えてみると、書かれた資料という形で持って

いなくてもいろいろなノウハウという形で保有

しています。 

  

 したがって、一次産業は、アイデア資料型と

いってもよいのではないかと思います。(一次

産業は販売先資料なども重要ですが)

 

 それぞれの型に属する企業(個人)であって

も、他の資料も必要であり、これらの資料型に

どのような比率で力を入れて行くかというのも

知財戦略であるといえます。

 

 尚、近畿経済産業局で平成232月に作成

された、「知的財産活用マニュアル・経営戦略に

知的財産を取り入れよう」では、製造業に焦点を

当て、現在の生産形態により、以下のように製造

業をさらに6つの型に分け説明しています。

 

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 ところで、知財戦略について述べられている

レポートがいろいろありますが、アイデア資料型

企業を念頭におき知的財産権に的を絞って書か

れているものが多いと思います。

 

 これは、知的財産権以外は念頭にないという

ことではなく、知的財産権に焦点を当てて説明

されているだけですので、知財戦略を策定して

いくときには、他の資料型も忘れずに考えましょう。