知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知財戦略入門編 そもそも知財戦略って何?

  中国の20141月の特許などの

 出願状況、登録状況が出ていました。

 

http://www.sipo.gov.cn/ghfzs/zltj/tjyb/2014/201402/P020140219370527108682.pdf

  

 グラフなどは上記を見ていただくとして、

 特許出願の前年比伸び率は18%と、もの

 すごい伸びで、まいったとしか言いようが

 ありません。

  

 この分だと2014年は100万件に迫る 

勢いです。

  

 ただし、実用新案のほうも9%増ですが、 

意匠出願のほうは15%の減少となって 

います。 理由が書かれていないのでよく

わかりませんが、なぜなのでしょう?

  

ということで、昨日の続きに行きましょう。

 

 すなわち、戦略とは、長期的、大局的な意思

決定、方向性であり、戦術とは、戦略による

短期的な具体策であるといえます。

 

 ここで、「知財」と「戦略」という言葉の定義が

わかりました。

 

 そこで、「知財戦略」という言葉に合体させると、

「事業活動に有用な技術上又は営業上の情報を

役立てられるようにする長期的、大局的な意思

決定、方向性である。」となって、とたんに何を

言っているのかわからないぞ!!ということに

なりました。

 

 そこで、企業などの目的、目標は何かという

ことを考えると、発明をする、権利を取得する、

有用な情報を集めるなどではなく、「売り上げを

伸ばす」ということにほかならないのではないで

しょうか。(売上を伸ばして給料アップにつなげる

とか、株主配当を増加させるなどもありますが)

 

 すなわち、発明をする、権利を取得する、有用な

情報を集めるなどは、目標達成のための方策

すなわち戦術ではないかと思います。

 

 そうすると、もう一度「知財戦略」を考えると、

「売り上げを伸ばすために(または経営戦略

遂行のためにといってもよいですが)、知財

最大限に生かすための長期的な方針」と

いえるのではないでしょうか。

 

 それでは、知財戦略について書かれている

書籍にはどのように書かれているか見て

みましょう。

 

 佐原雅史氏の「知財戦略の教科書」(PHPビジ

ネス新書)では、知財戦略とは「知識資料をお金に

換えること」としています。

 

 さらに、長谷川暁司氏の「御社の特許戦略が

ダメな理由」(中経出版)(刺激的なタイトルですね)

では、こちらは特許戦略ですが、特許戦略の目的は、

「企業の利益を最大化すること」としています。

 

 ということで、いずれにしろ、知財戦略とは、発明を

しましょう、特許出願をしましょうということではなく

(戦術ではありますが)、知財情報をいかに経営に

活かすかの方針であり、経営と乖離してしまっては

ならないものだといえます。