知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

会社で雑誌をコピーしちゃダメ?

 

 本日は、3連休なので、トリビアな話を

一つということで、また著作権の話をしたい

と思います。

 

 近くの人が声高に「会社でコピーをしたい

のだが、いいのか悪いのかわからない」という

話をしていました。

 

 会社で使うために、何かをコピーしたら

著作権侵害となるのでしょうか?というのが

今回の話の要点です。

 

 著作権法では、21条というところに、

著作者は、その著作物を複製する権利を

専有する。」と書かれていて、原則的に、

他人がコピーをしたらダメということに

なっています。

 

 ところで、話は違いますが、今、

21条というところに」と書きました。

 

 弁理士という職業につくには、弁理士

試験というのに合格しなければならないの

ですが、この試験は、「キミは、その法律を

知っているのかね?」ということを問われる

試験です。

 

 この中に論文試験というのがあるのですが、

これは、「こういう悩ましいことがあるのだが、

どうすればよいか?」というのに、文章を

書いて答えなければなりません。

 

 答えとしては「これこれこういう理由なので、

こうなのだ。」と書くわけです。

 

  しかし、採点者は、「ふーん、キミは何の

根拠でそう書いているのかね? 理由の根拠が

書いていないじゃないか。根拠が書いてないから

減点!!」(減点されるかどうか定かでない

ですが、同じ程度の論文が比較される場合、

根拠条文が書かれているほうの点が上になり

ます)とされてしまいます。

 

 このため、論文の書き方という最初で、

根拠条文を必ず書きなさいということをみっちり

仕込まれます。

 

 このブログは、根拠条文など関係ないので

書いていませんが、重要なところは根拠条文を

たまーに書きますのでおみしりおきを。

(普通のレポートでも、理由を書くのと

書かないのでは説得力が違いますよね)

 

 また、法律には「要件」という言葉が

出てきます。

 

 要件と聞くとセールスマンが玄関で、

ピンポーンと押すと家の人が、「ご用件は?」

というのが思い浮かびますが、こちらの

「要件」は、その法律条文を構成する内容

項目を指しています。

 

 それでは、話を元に戻して、コピーを

したら原則的にダメなのですが例外が

あります。

 

 特許法では、特許権の効力という68条の

要件の一つに、「業として」実施する権利を

専有する、と書かれています。

 

つまりは、洗濯機の特許権がある場合、

他人がその洗濯機を作って商売として売ったり

したら、「やめてくれー」ということができます。

 

 しかし、個人が洗濯機を作って(作れる

とは思えませんが、まあ作れたとしましょう)

自分で使う分には、商売しているわけでは

ありませんので、罪に問われません。

(たとえ1台でも売ったら、特許権侵害

です)

 

 特許法の目的は産業の発達ですから、

「まあ、個人で使う分にはえーんでないかい」

ということになっています。

 

 著作権法でも、「自分で使う分にはえーん

でないの」と著作者の権利にも制限があり、

30条というところに、「個人的に又は家庭内

その他これに準ずる範囲内において使用する

こと」は原則OK、となっています。

 

 原則OKと書いたのは、さらに私的使用にも

制限があるのですが、長くなるので省略します。

 

 なお、「その他これに準ずる」とは何か?

という疑問がわいてきます。

 

 その他これに準ずるとは、友達にあげる

ぐらいはいいでしょうとなっています。

50人も100人もに、あげるのはNGですし、

欲しい人誰でもいいから言って来てね、

などといって友達でもないのにあげると

いうのはNGです)

 

 長くなってしまいましたので、次回へ続く。