知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編1 研究開発体制/発明者は?

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 前回は全体を見渡すために実用新案

登録出願数もカウントしてみましたが、

今回は重要と思われる特許出願のみに

的を絞って 見ていくことにします。

 

  他社の開発力を見る場合、どのような

開発体制になっているのかを調べる必要が

あります。

 

 この調査には発明者を分析することで

 わかることが多いと思います。

 

  すなわち、特許出願に対し多くの

発明者が関わっているのか、 スーパー

発明者が一人でおこなっているのか、

グループ体制で 研究が行われているのか

等の情報を得ることができます。

 (他企業の研究開発者を引き抜くため

にも使われ、海外からの 引き抜きが

多くなっているのは頭の痛いところです)

 

  それではハードロック工業での

発明者を見てみることにします。

 

 同じように1985年から見て行きますが、

合計の特許出願数は33件でした。

 

  グラフを見ると若林克彦氏がすべての

発明に関わっており、他の発明者の方々は

それぞれ1件だけでした。

 

 これを見ると、 ハードロック工業は、

スーパー発明者1人での発明でもっており、

 次世代の開発者を育てないと非常に危険

であるということがわかります。 

  

 話は違いますが、本日の朝日新聞

8ページ目に東大阪中小企業が JAXA

組んで作製した「まいど1号」の話が

出ていました。

 

 打ち上げ成功は2009年1月だそう

ですが、大企業が工場の海外移転を進め、

町工場の受注が 減っており、メンバーが

抜け2号目のプロジェクトは宙に浮いて

しまったそうです。

  

 東京都大田区などと並ぶ集積を誇る

東大阪の町工場もピークだった1980年

代の1万軒超からいまや6千軒を切る

水準だそうです。

  

 ハードロック工業さんも、この東大阪

あります。

 

 小規模企業では スーパー発明者一人が

発明をおこなっている例が多いですが、

海外企業との 競争力がますます低下して

いる現在、是非次世代の発明者を発掘し、

日の丸企業としてさらにハードロック

工業さんにも頑張って欲しいものです。

  

 今回は発明者から研究開発体制を

見てみました。 

 

 次回は、登録率を見てみましょう。