知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編1 各社戦略を俯瞰してみよう!

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 ちょっと話がそれますが、昨日、日本

弁理士会の会合の司会で、名古屋に行って、

先程帰ってきました。

 

 以前は仕事で毎週のように名古屋に

行っていたのですが、担当が変わり、

最近行く機会がなくしばらくぶりの

名古屋でした。

 

昨日参加した方々はお疲れ様でした。

 

 名古屋も変わりましたね。

 

 変わらないのは「きしめん」の

おいしさでした。

 

 私は麺食い??なので、名古屋に

行くと必ずきしめんを食べていました。

 

 お店屋さんのきしめんはそれほど

おいしく感じないのですが、新幹線や

名鉄のホームに立って食べるきしめん

おいしいですね。

 

 特に寒い時期にフーフーしながら

食べるきしめんは格別です。

 

 それでは、閑話休題ということで、

前回の続きに戻ります。

 

 各企業でどのような研究開発成果が

出ているかを見てみます。

 

 今回は出願人FIマトリクスマップと

いうのを使用します。

 

 以前にFI記号というのは技術情報の

分類記号だというのを説明しました。

 

 FIという技術分類で各企業の研究開発

動向を見てみようということです。

 

 技術分類には、このほかにIPC

Fタームがありますので、これらでも

調べることができます。

 

 この分析には商用データベースと

パテントマップ作成ソフトが欠かせま

せん。

 

 無料のIPDLで検索して、多数のデータを

分析しようとすると、とても対応できま

せん。

 

 FIでグラフを書かせるのにも、パテント

マップ作成ソフトでは、FI記号の意味を

示してくれますし、分類をどんどん詳し

くして詳細に調べていくことも簡単に

できます。

 

 だんだん難しいマップになって行き

ますが、いろいろな業界、企業の分析を

通して何度もマップの説明をしていき

ますので、こんなものがあるという

程度で読み進めください。

 

 それでは、上のマップを見てみましょう。

 

 FIのさらなる詳細はそのうちまた説明

します。

 

 今回はまずはFIの中でも筆頭FIという

ので分析してみます。 

 

 といっても筆頭FIってなんだ?という

ことになりますので、まずはこれを説明

しましょう。

 

 筆頭FIとは出願の主題に付与される

FIのことをいいます。

 

 筆頭FI1出願に1つしか付与されません。 

(筆頭分類のほかに副分類ができるものは

さらにその記号が何個も付与されています。)

 

 このためさらにこれらの副分類で分析を

することができます。 IPCも筆頭IPC

いうものがありますが、Fタームには筆頭

という付与はされません。

(IPCとFIは、主題に対する分類という

付け方ができるのですが、Fタームは、

課題のFタームは何か?その課題に対する

解決材料は何か?どのような製造方法に

するのか?等いろいろな観点のFタームを

組み立てて検索するため、一つの筆頭Fターム

という概念が存在しないからです。)

 

 パテントマップ作成ソフトを使うと

FIの件数の多い順番に自動で分析して

くれるので、分析は一瞬です。

 

 この分析から、それぞれの

企業の戦略または課題が浮かび

上がってきます。

 

 まずマップの見方ですが、縦軸は

メーカー名(出願人名)で、横軸は

FIです。

 

 FIというのは分類記号ですので、

これを示しても、見る人は「なんの

こっちゃ?」となるだけですので、

FI記号を説明文に変換したものを

示しています。

 

 パテントマップ作成ソフトを使うと、

簡単に説明文に変換してくれます。

 

 尚、説明文は長いので、私の方で

編集してあります。

 

 前と同じように球の大きさは出願

件数と比例しています。

 

 このマップからは「ねじ」の研究

開発戦略の違いがわかります。 

 

 まず大きな特徴を示しているところ

から見てみると、日東精工さんは、ねじ

山の特別な形で緩まないようにしようと

しています。

 

 カヤバ工業さんは、何らかの緩み止めを

研究開発しているようです。

 

 イイファスさんは、留めナットで緩ま

ないようにしているようです。

 

 というように、特許文献を詳細に読み

込まなくてもある程度、各社がどんな

戦略をとっているのがわかります。

 

それでは、またまた次回へ続く。