知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編1 ネジ出願を時系列で見てみよう

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 前回、時系列マップを示しましたが、

その続きです。

 

 この情報から何がわかるでしょう?

 

 たとえば、トヨタ自動車は継続的に

ねじの研究開発をおこなっており脅威

だね!というのがわかります。

 

 中国電力2004年まではあまり研究

開発はおこなっていなかったようですが、

2005年から出願し始めているのは何か

力を入れる理由があったのだろうか?  

また、継続的研究がおこなわれていない

ところもありそうだね、などがわかり

ます。

 

 さらに、イイファスは、工業所有権の

取得といっているのに、出願はそれほど

多くなく、おかしくないか?などがわか

ってきます。 

 

 イイファス(株)については、後程、

単独分析で理由を明らかにします。

 

 これらをさらに詳しく分析していくのを

セミマクロ分析、ミクロ分析といいます。

 

 昔は、特許文献の中身を調べるのには、

中身(明細書や、特許請求の範囲、図面

など)を詳細に読み込む必要がありました

(ミクロ分析です)。

 

 しかし、最近の特許分析ソフト(パテント

マップ作成ソフト)は進歩しており、ある

程度までは、中身を読み込まなくても、

内容がわかるようになってきました。

 

 通常、M&A分析などでは、最初にマクロ

分析で概要をつかみ、次に徐々に中身に

迫っていきます。

 

 その後2社程度に企業を絞り込み、自社に

プラスアルファになる企業はどちらかを

分析します。(自社の分析が終わっていると

します)

 

 大学から企業、企業から大学、企業

同士の協業(競合ではありません)先を

捜す場合も同じ方法です。

 

 さらに、他の企業の戦略分析などでは、

まず自分の会社の特許情報分析を詳細に

おこない(自分のところなのでわかって

いるつもりでも、客観的に評価してみる

ことが重要です)、次に競合企業を分析し、

さらには自社と競合企業との強み弱みを

分析していきます。

 

 これらの分析手法は、徐々に説明して

いきます。

 

 時系列マップにはエントリーマップと

いうのもあります。(ニューエントリー

リタイアマップともいいます)

 

 これは、研究開発ごとに、いつから出願

されていつまで続いているかを見ることが

でき、ひとつの企業での研究開発の流れを

みることができます。

 

 このマップについては、そのうち出て

きます。

 

 このように、特許検索をしてもわからな

かったことが、パテントマップで「見える化

することにより、分析できるようになります。

 

 さてそれでは、更に詳細に見て行きま

しょう。

 

 以下、次回へ。